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ヒットの仕掛け人に聞く

メイク欲を刺激した「リップモンスター」がカテゴリーシェアNO.1に

リップモンスター

カネボウ化粧品のメイクアップブランド「KATE」は、コロナ禍の2021年に口紅「リップモンスター」を発売。マスク生活でメイク市場にとって厳しい環境下にありながら、発売から約1年半で累計出荷数500万本を達成した「モンスター」の秘密に迫る。

    DATA

  • 商品名:リップモンスター
  • 小売価格:1540円(税込)
    ※編集部調べ
  • 主な販路:ドラッグストア、量販店など

ブランドスローガンを体現

──マスク生活が当たり前の時期にリップを発売した背景は。

KATEは、1997年の誕生以来、ルールに縛られないで自由に個性を表現しようという思いを込めた「NO MORE RULES.」をブランドスローガンとして掲げてきました。

コロナ禍によって化粧品業界は全体的に売上が減少。特に口紅ジャンルは、マスク生活が当たり前となったことによって激減しました。こうした環境下で、KATEとしてもう一度スローガンを明確に表現するべきだと考え、商品設計やコミュニケーションを立て直しました。

2022年1月にはWeb広告で「自分を縛る、ルールを壊せ。」というメッセージを発信。あわせてブランドの思いを 体現するふたつの商品、「小顔シルエットマスク」、「リップモンスター」とLINE公式アカウント「KATE MAKEUP LAB.」を世に送り出しました。

リップモンスターを発売した2021年5月はコロナ禍真っ只中。マスクをするのでメイクは必要ないと言われていた頃でした。一方で私たちの開発担当者の中には「どんなときでも私はメイクをする」という者も多く、同じ思いを持つ人は必ずいるはずだと考えました。SNSなどでもトレンドに敏感な若者を中心に、マスクをするからメイクをしないなんてあり得ないと考えている層が一定数いることがわかりました。そうしたニーズに着目し、マスク生活でもメイクを楽しめる商品として誕生しました。

商品
2021年5月発売の「リップモンスター」。ブランド史上最も落ちにくいという機能の「最強感」と、誰かに話したくなるような話題性を考え「モンスター」と名付けられた。マスクにつきにくいだけではなく、つけはじめから時間が経過しても発色を維持する機能にこだわった。「ミニリップモンスター」や「リップモンスター スフレマット」など定期的に新商品、限定商品を発売し、話題性の維持も意識した。リップモンスターは基本の14色だけで累計出荷数500万本を達成し、口紅カテゴリーでシェアNo.1を獲得。KATEブランドとしてすでにNo.1シェアを誇っているアイメイクカテゴリーに加えて、口紅カテゴリー内でも地位を確立することに成功した。

話題化を狙ったネーミングの妙

──プロモーションはどのような意図で設計されましたか。

リップモンスターはどんなときでもメイクを楽しむことができる商品です。その象徴になればと考え、デジタルのUXを起点にした体験の提供を意識しました。

まずは人に話したくなる商品設計ということで「落ちにくい」機能を大前提にしました。マスクをつけていても、外していても落ちにくい。ただ口紅が取れないということだけではなく、つけたときの色が持続することにも...

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