今から42年前の漫画『ドラえもん』に、「おこのみボックス」なる“ひみつ道具”が登場する。見た目は手のひらサイズの箱型の物体。命令すると、四角いものなら何にでも変身する。テレビ、レコードプレイヤー、ラジオ、カメラ──等々。もはや、アプリを入れたら様々な用途に使えるスマホと同じである。
そう、現代の僕らは、かつて藤子・F・不二雄先生が夢見た未来の道具を使っている。今やスマホなしでは暮らしは成り立たないほど。財布も身分証も、大切な写真も仲間との繋がりも、全てスマホの中にある──。
とはいえ、なんでもかんでもスマホに頼るのはどうだろう。それはオールラウンドプレイヤーだけど、餅は餅屋という考え方もあるはずだ。
例えば、「紙の本」だってそう。出版科学研究所によると、2021年、紙書籍の売上が15年ぶりに増加に転じて話題になったが、その額は6804億円。一方、右肩上がりの電子書籍市場は449億円。両者は接近しつつある...
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