商談時のメーカー営業からの提案に、どのような判断をすればよいか。売上をさらに伸ばす仕入れのために、データに基づく的確な交渉が必要だ。今回は、長期的な売上をもたらす優良顧客が購入する商品について考える。
引き続き、小売業界では吸収合併が盛んだ。先日、日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)から「2019年度の日本のドラッグストア実態調査」が公表された。調査によると、2019年度の全国ドラッグストア店舗数は2万631店で、企業数は401社であった。2014年度が「店舗数1万7953店/企業数486社」であったことからすると、たった5年の間で店舗数は約15%増加し、企業数は反対に約17%減少した。つまり「企業あたり店舗数」が近年継続的に拡大しており、結果として小売業界では競争がさらに激化している。
この避けることができない競合環境下においてなお、売上・利益を継続拡大するためにはどうしたらよいのだろうか。その答えのひとつが「優良顧客」の獲得である。優良顧客とはいわゆる「LTV(ライフタイムバリュー=顧客生涯価値)」が高い購買者のこと。顧客生涯価値とは、1人の顧客が生涯を通じ、当該企業にもたらす価値(売上・利益)のことである。この購買者たちは、当該企業における「継続購入期間」「来店頻度」「1回あたり購入金額(1回あたり購入点数×平均単価)」の要素が全購買者平均よりも高い。
今回はLTVの高い優良顧客が、どういった商品を購入する傾向にあるのかを、購買データをもとに抽出し、分析した。今後の優良顧客獲得に向けた商品戦略策定の参考として、ぜひとも役立てていただきたい。
優良顧客になりやすい商品群
まずは以下の図をご覧いただきたい。これは...