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顧客体験を最大限高めるための飲食×テクノロジー×現場力

テクノロジーの進化による 飲食店の未来予想図

安岡寛道氏(野村総合研究所)

ここまで紹介した事例を含めて、今後はよりAI(人工知能)技術などの活用が必須となるだろう。外食産業・飲食店にはどのような未来が開けているのか。野村総合研究所の安岡寛道氏が解説する。

感覚ではなくデータで需要予測 廃棄ロスも削減

テクノロジーの進化によって、外食産業の現場は、近い将来どのように変化し、どのように対応していくべきか。

まず、外食産業の代表的な飲食店(レストランなど)について、原材料(素材)の「入」の部分から考える。これまでは、オーナーやシェフなどによるKKD(勘・経験・度胸)から行っていたその調達は、知識・経験が豊富でなくとも、ビッグデータの活用によって効率を高めることが可能となる。

たとえば生産者である農家やそれらを束ねる法人とネットワークし、生育状況に応じて適切な出荷時期を見極め、AI技術を用いて必要な素材をマッチングし、必要なタイミングで手配する、ということが想定される。その際には、農産物の生育状況を記録した生産者側のデータと、消費者のニーズや流行などの需要者側のデータのすり合わせが必要となるだろう。

さらには、その間にある飲食店が、消費者ニーズや流行にあった作物の企画・改良を効率的に進められる仲介者となる可能性もある。

安心安全で高品質な農作物を、安定的に供給でき、たびたび問題として取り上げられる廃棄ロスの削減にも役立つ。また、飲食店は、生産データを加味しながら、店舗業務の許容量を踏まえ、自店の販売データおよび地域イベントなどの情報をもとに来店客の需要を予測する。地域の需給バランスを調整する社会的使命も果たしつつ、店舗を効率的に運営できるビジョンだ。

飲食店もオープンイノベーションで新たな需要を創出

次に、飲食店の「中」、つまり運営・管理について考えてみよう。まず、オーナーは、必要リソースであるシェフやスタッフを、各々のスキルやスケジュールに応じて手配することになり、柔軟に対応できるようになる。集中的にスケールメリットを持たせて対応する業務と、現場スタッフのスキルに応じて分散対応する業務を切り分けるのだ。スキルを持ったスタッフの活用は、人のマーケットプレイスのようなシェアリングエコノミーが一般化されれば、そこから調達する選択肢も出てくるだろう。

また、シェフは、来店客のニーズや個人特性(ケアすべき情報など)に合ったメニューの検討から、効率的に食事を提供できる。来店予約した顧客の好みの傾向や履歴、健康やアレルギーなどの情報があれば、それらを活用して、安心して楽しめる素材でメニューをおすすめしたり、もてなしたりすることも可能だ。

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