帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査(2019年4月)」によると、非正社員において、最も人手不足の実感が強いのは「飲食店」だという。人手不足をテクノロジーで補うのは、もはや当然という段階にまで来ている。
事例 1 アールアンドケーフードサービス
ロボットが生む新しい店舗のあり方
ロイヤルホールディングスグループのアールアンドケーフードサービスは昨年3月、配膳ロボットを「Q CAFE by Royal Garden Cafe」に導入した。1年以上が経過したいま、その効果は。
配膳ロボットが担う役割 新規性が集客にも寄与
配膳ロボットは主に、料理や飲み物の運搬、片付けといった役割を担っている。「Q CAFE」では、通常のカフェスペースとさまざまな用途でレンタルできるワークスペースにエリアを分けており、配膳ロボットは、キッチンまでの距離が長いワークスペースで稼働している。
キッチンで用意した料理や飲み物を載せたロボットは、店舗のスタッフがタブレット端末で指定したテーブルへ自動で向かう。運ばれた料理や飲み物は付近のスタッフが直接顧客へ提供する。
「ロボットはお客さまのすぐそばを通るため、お客さまからの反応を心配しておりましたが、ロボットということで興味を持ってくださり、ロボットの見学や体験などを目的としてご来店いただく方もいらっしゃいます」と「Q CAFE」を運営するアールアンドケーフードサービスのロイヤルガーデンカフェグループ・田口將マネージャーは話す。
ホスピタリティとロボットの融合で価値ある体験を生み出す
ことし6月現在、配膳ロボットは問題なく稼働しており、最近は同じ6Fフロアの会員専用スペースへの飲み物の提供にも活動範囲を広げている。一方で、より安全性を考慮した配膳速度などの検証も続けているという。
「これからも人材不足は続くと思われますが、それでも接客の質を上げるためには、配膳ロボットだけではなく、ロボットを通じて生まれる『スタッフとお客さまの会話』が必要かもしれません …