現代は、モノではなくサービスを買う時代。その顕著な例である「サブスクリプション」型のサービスは、顧客との関係をいかに継続させるかという視点が重要になる。ここでは、どのようにサービスを構築しているか、飲食に関連する3つの事例を紹介する。
事例 1 三光マーケティングフーズ
公式アプリを活用した「飲み放題」のサブスク
三光マーケティングフーズが運営する居酒屋チェーン「金の蔵」は3月5日、「プレミアム飲み放題券」と称したサブスクリプションサービスを開始した。事前の実験では想定以上の需要があったという。
アプリを収益を生み出す存在に転換
「プレミアム飲み放題券」は、「金の蔵」公式アプリをダウンロードし、月額4000円(税込)を支払うことで、「プレミアム飲み放題(120分)」(定価1800円、税込)が毎日利用できるサービス。1店舗につき1日1回までだが、別の「金の蔵」に"ハシゴ"すれば2回、3回と使える。また、同様の仕組みで、月額290円(税込)を支払うと、毎日ファーストドリンク代が無料になる「ファーストドリンク定期券」もある。
サブスクリプションを導入した目的は、来店動機となるきっかけをつくることで、新規顧客の集客力低下を補い、リピート率を上げ、ロイヤルカスタマーを醸成すること。事前に紙媒体で試したところ、想定以上の需要があったため、本格的な導入に至った。
アプリを活用した理由として、「ここ数年でグルメサイトからのご予約件数が急速に減少しているため、そこへの依存度を弱め、アプリでの集客につなげていきたいと考えていました。また、アプリを、支出の多寡だけが取りざたされるコストセンターから、収益を生むプロフィットセンターに転換させるという目的もありました」と三光マーケティングフーズのマーケティングチーム・福田啓祐マネージャーは話す …