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トップの現場力

イノベーションは現場から 鳥貴族・大倉社長は店舗に足を運び続ける

関東、東海、関西を中心に610店舗(2018年2月末時点)を構える焼鳥店チェーンの「鳥貴族」は、「全品298円(税抜)均一」という低価格と品質の良さが特長だ。2021年7月期までに関西、関東、東海の3商圏で1000店舗を目指す大倉忠司社長は、同社の理念を隅々に浸透させるために現場に足を運び続けている。

鳥貴族
代表取締役社長
大倉 忠司(おおくら・ただし)氏

1960年、大阪府生まれ。飲食店経営を目指して料理系専門学校に入学。卒業後は、大手ホテル、焼き鳥店を経て1985年に独立し「じゃんぼ焼鳥 鳥貴族」1号店をオープン。1986年株式会社イターナルサービスを設立し、チェーン展開を開始。大阪を中心に出店を行い、2005年に東京進出。2009年、社名を鳥貴族に改め、2018年2月現在で関西・関東・東海地区を中心に600店舗以上を展開する。

―「現場力」を上げるために、どのような取り組みを行っていますか。

スタッフが企業理念を理解することで「現場力」は自ずと上がっていくと考えています。そのため、理念教育を非常に大事にしています。

企業理念の中には、「焼鳥屋で世の中を明るくしたい」という思いを明文化した「鳥貴族のうぬぼれ」というものがあります。当社では、低価格ながら高価値の焼鳥を提供することで、お客さまに喜んでいただきたいと考えていますが、スタッフにとっては、低価格のお店は高級店よりも働くことに誇りを持ちにくいという側面もあることでしょう。

我々が、安価ながら品質にもこだわった商品を提供することにはどんな意味や思いがあるのか。それを店舗で働く社員やアルバイトに理解してもらうことによって、「焼鳥愛」や「鳥貴族愛」を育み、仕事に誇りを持ってもらいたいと考えています。同時に、スタッフが理念を理解することで、「どうすればお客さまに喜んでもらえるか」と、店の都合ではなくお客さまの方を向いて考えたり、先回りして対応できるようになるのです。

企業理念を明文化したのは、6店舗ほど出店したころです。普段からスタッフに話してきたことではあったのですが、店舗数が増え、スタッフ数が増えていくにしたがって、口頭で伝えていくには限界があると感じ始めていました。今はさまざまなツールを用いて理念を伝えています。

例えば、パートやアルバイトも含めたすべてのスタッフに配っている「鳥辞苑」。理念はもちろん、読めば鳥貴族のすべてがわかるという冊子で、手帳サイズなのでいつでも持ち歩きができます。正社員に配付している「TORIKIWAY∞(トリキウェイ)」には、鳥貴族の価値観や考え方を掲載しています。また、年4回発行している社内報「トリキLOVE」でも鳥貴族が大切にしている考え方を発信しています。

私自身も毎月の店長会議に出席したり、パート・アルバイトが集まる場を設けたりして直接話す機会を設けています。売上数値などについてはあまり触れず、理念を中心とした話をするようにしています。というのも、1000店舗の出店といった数値目標も、理念である「焼鳥屋で世の中を明るくする」ことの一環に過ぎないからです。

現在の約600店舗から、1000店舗になればそれだけ多くのお客さまに喜ばれ、ゆくゆくは我々の理念である「世の中が明るくなる」ことにつながっていくと考えています。また、普段からパート・アルバイトに理念を浸透させる役割は店長が担うことが多いため、店長に対して自分の言葉で話せるようになるためのトレーニングを行っています …

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