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「宣伝会議マーケティングサミット2023」レポート

初のテレビCMどうだった?新興企業2社が得た効果とは

TOKIUM、mederi

近年、初めてテレビCMに投資をする新興企業が増えている。今回登壇したのは、2022年夏から新たにテレビCMを始めた2社。支出管理クラウドサービスを提供するTOKIUM取締役の松原亮さん、オンラインピル診療サービスを展開しているmederi取締役の大池優貴さんがその目的設定やクリエイティブに関する戦略、実際の効果などについて語る。

全国CMで早急な認知獲得へ

テレビCMへの投資はどのような経営判断で行われましたか。

松原:競争環境と市場環境を鑑みて、急速に企業としての認知度や信頼度を高めるにはテレビCMが最も効果的だという考えからスタートしました。

まず競争環境として、2020年ごろに生まれた請求書受領クラウドは大手企業も参入しています。私たちも選ばれることがある一方、当時は企業としての認知度や知名度が低かったことによる失注も少なくありませんでした。そのため、まずは商談やコンペで声がかかるようにすることと、知名度の低さによる失注を避けることが大きなテーマでした。

また、市場環境としては2022年から2023年にかけて電子帳簿保存法やインボイス制度といった法改正が迫っており、追い風が吹くことが予想されていたのでピークが来る前に認知を獲得する必要がありました。

大池:私たちも同じく、認知を早く獲得することが目的になります。「オンラインピル診療」というサービスの場合、競合も扱う商材は同じ。差別化が難しい点とそもそも市場が認知されていない点から、認知度を高めなければならないという課題がありました。テレビなら最も早急に認知が得られると考え、サービスローンチの半年後ほどでCMを打ちました。

最初は地方でテストをして反応を見てから全国区での展開をしようと考えましたが、当時は全国区でテレビCMを打っている競合他社はない状態。先んじるためにも失敗を恐れずに全国でのCM展開を決断しました。

松原:タイミングとしては、私たちも追い風が吹くであろう時期が決まっていたため、地方で少しずつ試してから大きく展開するよりも、覚悟を決めて大々的にテレビCMを打ちましたね。もちろん事情が異なれば、違う選択肢を取った可能性はあります。

媒体費と制作費のバランスは?

CMのクリエイティブ制作の裏側についても聞かせてください。

松原:クリエイティブの費用を抑えて媒体費用を増やすかどうか、タレントを起用するかどうか、SaaS企業によくあるオフィスのシーンを描くCMフォーマットを踏襲するかどうかなど、それぞれを目的に照らし合わせて決断しながらクリエイティブを制作していきました。

今回は競合企業が私たちよりも体力があり、出稿量での競争では不利になると予想できたので...

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