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私の広告観

退化しつつある言葉の表現やコミュニケーション 緑の力で潜在する人間の本能を刺激する―濱野周泰の広告観

濱野周泰さん

樹木の利活用・分布・分類に関する研究を専門に活躍している樹木学者の濱野周泰さん。「大手町の森」や「ののあおやま」など、自身が参画する都市開発プロジェクトの広告やプロモーションを見て感じた変化とは?異分野の視点から語ってもらった。

造園の大家である叔父の影響で樹木学者の道を目指す

樹木学者の濱野周泰さんは、「大手町の森」や「ののあおやま」など、いま盛んな都市開発プロジェクトに多数参画。卓越した造園の知識と技術で、都会に“森の癒し”を提供してきた。樹木と動物が織りなす緑あふれる空間は、そこに住まう人々の生活シーンに適していることを念頭に置いた設計が、濱野さんの造園づくりの信念だ。

そんな濱野さんが幼い頃に影響を受け、造園の世界へと導いたのは、叔父にあたる上原敬二氏だという。林学者で造園研究家であり、日本の造園教育の創始者として知られている。明治神宮の林苑設計や、横浜山手の西洋庭園など、300余もの庭園築造を手掛けた。

「叔父は聞けばなんでも教えてくれる“物知りおじさん”という存在でした」と振り返る濱野さん。海外出張から帰ってきてお土産をもらったり話を聞いたりしているうちに、徐々に造園に対して関心が芽生えてきたと話す。中学時代は山岳部に入り、自然に触れる機会が増えてくると、将来は自然に関わる仕事がしたいと漠然と思うようになってきたという濱野さん。担任教師からの勧めもあり、叔父の上原氏が創設し、名誉教授を務める東京農業大学への進学を視野に、付属高校へと入学した。

濱野さんが決めた進路について叔父の上原氏は喜んでくれた。東京農大に入学すると、上原氏の仕事にたびたび随行する機会もあったという。…

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