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消費者心理を捉える、「値付け」の科学 価格戦略とマーケティング

消費者の需要と供給を捉えた 付加価値の創出が不可欠

松岡和史氏(デロイト トーマツ コンサルティング)

新型コロナウイルス感染症の流行は消費者のライフスタイルや食生活に大きな変容を与えた。コロナが収束し、消費者はさまざまな混乱や制約から解放されたものの、相次ぐ物価高により賃金の伸びが追いつかない状況が続いており、消費者の節約志向が高まっている。消費者の価格意識と消費行動の現在地を、デロイト トーマツ コンサルティングの松岡和史氏が解説する。

消費者の不安や緊張感は「コロナ」から「経済・財務」へ

デロイト トーマツでは、生活様式の移行に伴う消費者の価値観・マインド、購買行動の決定要因等を把握する目的で2022年・2023年4月に「国内消費者意識・購買行動調査」、同5月には「食生活に関する消費行動調査」を実施したとともに、2020年4月より世界19カ国で毎月消費者意識の変化について定期調査「Consumer Signals」を実施している。本稿では3つの調査結果をもとに消費者の価格意識の変化について解説する。

2023年12月時点で、年代別に不安・緊張感が高い項目を2022年同月と比較すると、すべての年代で不安要素の上位が「コロナ関連」から「経済・財務・社会」に関するものに入れ替わっている。しかし回答者の割合は2022年とほぼ横ばいとなっており、大きな変化は窺えない【図1】

コスパ・メリハリ意識の高まり PB商品に品質を求める消費者...

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