デジタルの世界で知名度を確立させたブランドがさらなる顧客との接点拡大を目指したり、従来は人的営業中心だった企業が、テレビCMの活用に踏み切る機会があります。なぜテレビCMを選んだのか。初めて出稿する際に、どのような戦略を持って臨んだのか。担当者に話を聞きます。
累計販売枚数30万枚を突破した
ウェルネスブランドの初めてのCM
「パジャマが医療機器?」この印象的なフレーズからはじまるのは、TENTIAL社のリカバリーウェア「BAKUNE」のCMだ。同社では、「良いコンディションを保つために普段から予防やケアをする」ことで人々の健康課題を解決するため、ウェルネスブランド「TENTIAL」を展開している。2023年12月に同社初のテレビCMを放映した「BAKUNE」は睡眠に焦点を当てた商品だ。身体から発する遠赤外線を輻射する素材SELFLAME®を使用している同商品を着用すると、自らの体温により血行が促進し、肩こりや腰痛の緩和、疲労回復が期待できる。CMでも謳われている通り、「家庭用遠赤外線血行促進用衣」として厚生労働省へ届け出をしている医療機器でもあるのだという。
男性編&女性編の2種類で展開されるCMのクリエイティブにおいても、「医療機器であること」と「疲労回復につながること」を強く訴求しているのが特徴的だ。また、寝ているそれぞれの主人公が疲労回復している描写でも「BAKUNE」の効果を丁寧に伝えている。
テレビ番組での紹介で
新しいユーザー層の存在に気付いた
「BAKUNE」は、2021年2月のローンチから現在までに累計30万枚を販売。順調に売上を伸ばす人気商品だ。そんななか、なぜこのタイミングでCMに踏み切ったのだろうか。「大きなきっかけとなったのは、とあるテレビ番組での紹介でした」と同社ウェルネス事業本部・副本部長の岩松泰平氏は語る。
「バラエティー番組で紹介されたことをきっかけに、元々は男性がメインだったお客さまの男女比が逆転しました。こうした変化もあり、既存のオンラインでのマーケティングだけでは『BAKUNE』を必要としているすべての人に情報を届けられないのではと考えるようになりました」(岩松氏)。
「BAKUNE」はもともと、「ビジネスアスリート」と呼ばれる第一線で活躍する...