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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

様々な食シーンを想定 長く愛される懐かしい思い出の「味」へ

おやつカンパニー ブタメン

(左)1993(右)2023

おやつカンパニーのカップ麺ブランド「ブタメン」は、1993年の誕生から今年で30周年を迎えた。

「ブタメン」は、同社のミニカップラーメン商品「ベビースター当りら~めん」のしょうゆ味とカレー味に続く第3のフレーバーとして開発されたもの。当時、流行していたとんこつラーメンに着目してフレーバーに選定。小学生をターゲットに、パッケージにもインパクトを出すため可愛い豚のキャラクターをデザインして発売した。「ベビースター」ブランドのひとつとして誕生したが、キャラクターのインパクトや味わいが人気を博し、ミニカップラーメン「ブタメン」ブランドとして独立することになった。

子ども向けの商品ということで、発売当時はスーパーマーケットなどの他、駄菓子屋を重要な販路としていた。

当時、駄菓子屋で販売される商品には、「当たりくじ」が付いているものが多かったことから、「ブタメン」も以前はフタの裏に当たりくじを付けていた。だが時代とともに駄菓子屋も減少し、カップ麺を店先で食べるという光景もほとんど見かけなくなってしまった。しかし同社では、買った時の“ワクワク感”を、マークを集めて応募するプレゼントキャンペーンに切り替えて、買った後の「お楽しみ」を提供している。

「当たりを狙ってどの『ブタメン』を選ぼうか迷ったり、当たった時の嬉しさだったり、子どもの頃に『ブタメン』に親しんでいただいた方には大人になってもその頃の楽しい思い出がずっと記憶に残っています。社会人や子育て世代の大人にも当時を懐かしみながら食べてほしいと思い宣伝などに工夫を凝らしながら、子どもから大人まで愛されるブランドに育てていきたいと思います」と話すのは、おやつカンパニーマーケティング本部ブタメン担当の中村陽介氏。

視点01 商品・ラインアップ
遊び心あるフレーバーで長く親しまれるブランドへ

とんこつ味から発売を開始した「ブタメン」は現在、しょうゆ味、タン塩味、カレー味の3フレーバーを加えた定番4商品の他、期間限定商品も展開している。

期間限定商品では、一風変わったチャレンジングなフレーバーを展開。「にんにくダイナマイト」「うまうまあんかけ」など、インパクトのあるネーミングで、商品を選ぶ楽しさを提供してきた。「期間限定品の中でも変わり種だったのはお湯を切って食べる焼そばタイプの商品でした。期間限定だからこそ遊び心を出せる商品の開発には、毎回頭を悩ませていますが、食べてみないとわからないというワクワク感を提供することを常に心がけています」(中村氏)。

そんな「ブタメン」の人気を発売当初から支え続けるのが豚のキャラクター。発売当初はこの豚のイラストとともに商品の認知度が一気に拡大していったという。実は...

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