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ロングセラーブランドのコミュニケーション戦略

チョコパイ40周年 「半生ケーキ」の開発で日常にプチ贅沢感を提供

ロッテ チョコパイ

(左)1983(右)2023

1983年に誕生したロッテの「チョコパイ」は、2023年に40周年を迎える。誕生当時の1980年代は、バブル経済を背景に一般の生活者にも贅沢志向が根づき始めていた頃。記念日などの特別な日のために百貨店で購入した高級洋菓子店のケーキを食卓で囲むというシーンが増えてきていた。このような時代にケーキをもっと手軽に自宅で食べられるように、との思いから生まれたのが「チョコパイ」であった。

しっとりとした食感の生地にクリームを挟み、チョコレートでコーティングした「チョコパイ」は、ケーキのような生地を楽しめつつ、常温保管が可能な「半生ケーキ」という独自の価値を提供することで人気を確立していった。

「『チョコパイ』の主な顧客層である40代の方からは、『子どもの頃に初めてチョコパイを食べた時の衝撃・美味しさから、現在も購入している』という声をいただいています」と話すのは、チョコパイブランド課の吉見尚子氏。

発売当初からのファンを中心に、若者や親子など幅広い層から支持される「チョコパイ」は、40年の歴史の中で、食の嗜好の多様化に柔軟に対応した商品開発を実施している。

「半生ケーキ」としての味わいを追求しながらも、期間限定のフレーバー展開やチルドタイプ、冷凍タイプの商品を開発するなど、ラインアップの拡充によって味わいの満足感や体験価値を高めていった。

「チョコパイ」は長年「まぁるい幸せ」というブランドメッセージを掲げてきた。周年の施策においては、このブランドメッセージを軸に、顧客はもちろん、ブランドにかかわるあらゆるステークホルダー皆がつながるというコンセプトを掲げ、様々な企画を展開予定。機能的価値だけでなく情緒的価値も含めて「チョコパイ」というブランドの魅力を発信していくという。

視点01 商品・ラインアップ
食後も楽しめる仕掛けをパッケージに施す

「チョコパイ」は食のトレンドや少子高齢化などの社会変化に対応し、消費者接点を増やしてきた。

2006年に発売した「プチチョコパイ」(現在の商品名は「小さなチョコパイ」)は、定番サイズよりも小さくし、満足感がありすぎるという声に応えて開発。ただ、食べた時の心の満足感は損なわないよう生地にチョコレートを練り込む工夫をした。

「自宅で気軽にケーキを楽しめるように」と開発された「チョコパイ」だが、2010年代にはコンビニエンスストアで購入しオフィスで休憩時間に食べられるケースも増加。そこで、2012年からは2個入り、2014年から1個入りタイプも販売し、コーヒーと一緒に購入するおやつとしての定着化を図った。他にも、チルドタイプの...

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