志摩スペイン村が「Roblox」活用 体験型ゲームを展開
世界最大規模のゲーミングプラットフォーム「Roblox(ロブロックス)」に制作したメタバース「志摩スペイン村~Parque Espana~」の訪問数が、2022年12月のオープンから約1カ月で、のべ2万回を突破した。制作を手掛けたのはnewtrace(ニュートレース)だ。
「Roblox」は欧米・アジアを中心に、世界のZ世代、さらにはその下のα世代から人気を誇るゲーミングプラットフォーム。この「Roblox」内に、三重県にある複合リゾート施設である『志摩スペイン村』のテーマパーク『パルケエスパーニャ』の一部を、3DCGで再現したのが「志摩スペイン村~Parque Espana~」だ。メインコンテンツとして、スペインの祭りである「牛追い祭り」「トマト祭り」をモチーフにしたゲームを公開。ゲーム公開直後には、成績上位者に「志摩スペイン村1DAYパスポート」をプレゼントするキャンペーンも実施した。
この施策を手掛けた、newtraceの執行役員 広瀬佑介氏は「訪日観光客も復活してくるなかで、インバウンドプロモーションも視野に入れて実施した施策。『Roblox』内での体験を通じて、実際に現地に行ってみたいと思ってもらうことを狙った」と話す。
企業のデジタルシフトで建築以外の仕事の相談が増加
newtraceの創業は2022年5月。もともとは2009年に設立された建築パースやVR/ARコンテンツ制作を手掛けるスペースラボの一事業部として始まった。スペースラボは特に建築領域に強く、商業施設や都市空間のパースやカタログなどを、3DCG技術を用いて請け負ってきた。
しかし、コロナ禍で企業のコミュニケーションがデジタルシフトするなか、同社が建築領域で培ってきた技術を顧客とのコミュニケーションはじめ、別の場で活用したいという相談が増えてきたのだという。
「例えばBtoB企業からは、バーチャル空間で展示会を開きたいのでサポートしてほしいといった依頼が寄せられるようになった。そこで、スペースラボ内にデジタルイノベーション事業部を設立し、こうした新しいニーズに対応する体制を整えてきた。その後、展示会だけでなく文化庁のオリジナルメタバースの制作を依頼されるなど、事業が拡大。市場性があると判断して昨年、一事業部が独立する形で新会社、newtraceを設立した」と広瀬氏は説明する。
現在は建築CG技術と3D空間再現ノウハウを活かして、メタバース空間での企業コミュニケーションを企画からコンテンツ制作までサポート。またバーチャル展示会のように空間自体をオリジナルで企画・制作するだけでなく、前述の「Roblox」のように...