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マーケターのキャリアにおける ブランドとデジタルの接点

ロレアル @コスメ部始動で直面した3つの課題と打開策

有田貴美江氏(日本ロレアル)

消費者が情報に触れ、さらにモノを買う場がデジタル上にシフトする時代、ブランドはその変化にどう対応すればよいのか。日本ロレアルにおける新規デジタル事業の取り組みを軸に「ブランド」のデジタライゼーションの実践を考える。

グローバルに存在しない新設部門だからこその課題

この連載では、2019年9月に発表した日本ロレアルと日本最大のコスメ・美容の総合サイト@cosme(アットコスメ)を運営するアイスタイルによる、アットコスメのプラットフォームを活用したコンテンツ・Eコマース・製品開発を協働で推進する包括的なパートナーシップをいかに具体的な事業に落とし込んでいくのか。ロレアル @コスメ部部長としての私の取り組みを中心に解説をしていきます。

前回は、アットコスメでのブランド認知から製品購入、アドボカシー形成に至る一連のユーザージャーニーにおいてシームレスなブランド体験提供・活動を目指し、"アドボカシーマーケティングチーム"と"eビジネスチーム"から成る「ロレアル @コスメ部」新設の経緯について説明しました。

2019年3月に公式に部署は立ち上がりましたが、実質的に部署が稼働するには多くの困難が待ち受けていました。

第1に「前例・ロールモデル不在」という問題がありました。ご存じのように、日本ロレアルは世界最大の化粧品会社ロレアルグループの日本法人であり、一般的な外資系企業同様、日本の組織は概ねグローバルの組織とミラーした構成になっています。つまり自分の職種・職責に近い業務を別のマーケットでも担当している社員がいます。しかしながら、「ロレアル @コスメ部」は日本から誕生した組織のため、グローバルでミラーした組織が存在しません。

また私を含め、新規ポジションが多く、国内のみならずグローバルでもロールモデルが見当たらないという状況でした。前例やロールモデル不在の組織における人材採用は社内外ともに困難の連続でした。

前例がないのでキャリアパスが思い浮かばないという声に対し、当部での仕事がデジタル分野における新しいチャレンジとなり、自身のデジタルスキル・能力向上につながるだけでなく、「ロレアル @コスメ部」以降もキャリア形成に有効に働くとの短期的・長期的キャリア視点から説明を尽くしました …

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