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マーケターのキャリアにおける ブランドとデジタルの接点

ECとコミュニケーションを融合 ロレアル@コスメ部が描く構想

有田貴美江氏(日本ロレアル)

消費者が情報に触れ、さらにモノを買う場がデジタル上にシフトする時代、ブランドはその変化にどう対応すればよいのか。日本ロレアルにおける新規デジタル事業の取り組みを軸に「ブランド」のデジタライゼーションの実践を考える。

アットコスメに着目したキールズでのチャレンジ

連載2回目では私が現在、従事している新規デジタル事業の立ち上げについてお話ししたいと思います。2019年9月26日のプレスリリースで、日本ロレアルは日本最大のコスメ・美容の総合サイト@cosme(アットコスメ)を運営するアイスタイルと、外資系化粧品会社として初めて、アットコスメのプラットフォームを活用したコンテンツ・Eコマース・製品開発を協働で推進する包括的なパートナーシップを発表しました。この正式発表に至るまで、実に約1年に及ぶ準備期間がありました。

私が新規デジタル事業の打診を受けたのは2018年10月のことでした。当時、アットコスメとの取り組みとして、コミュニケーション領域では、各ブランドがアットコスメのプラットフォームを活用した、カテゴリーバナーやタイアップといった広告メニューの他、アットコスメ内のブランドファンに対する施策を実施していました。

一方、Eコマース領域では、アットコスメのEコマースである「アットコスメショッピング」にストアを開設した時期でした。つまり、アットコスメにおけるコミュニケーション領域とEコマース領域の活動は日本ロレアル内でも別々の組織が担当していたのです。

実際、私も2018年当時はキールズ事業部のコミュニケーション マネージャーとして、広告を出稿しないキールズのポリシーを踏襲し、アットコスメではキールズのブランドファンにフォーカスしたコミュニティ活動を行い、ブランド認知促進とエンゲージメント向上を図っていました。

ちなみにキールズのアットコスメでの取り組みは、前述の会社の方針で始まったのではなく、私が日本ロレアルに入社した2017年から始まりました。キールズはブランドの起源から広告を行わず、コミュニティに注力する形、主には口コミでブランド認知を拡大してきました。そのポリシーをどうしたら現在のデジタルの世界でも実現できるのか、これこそが当時の私のチャレンジであり、そこで注目したのが、アットコスメのユーザーやブランドファンでした …

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