現在、公式WebサイトのUX改革の真っただ中にある、というHonda。ユーザーとのダイレクトな接点である公式Webサイトとどう向き合い、どのように改革を進めているのか。同社でWebマスターを務める福山享弘氏に話を聞いた。
ユーザー視点に立ち、全社視点の"横串"で見つめ直す
Hondaが公式Webサイトの改革に取り組み始めたのは、2017年4月。所属部門である広報部が、ブランド・コミュニケーション本部の管下となり、今まで以上に強くWebサイト上でのブランド体験提供を意識するようになったことがきっかけとなった。まず福山氏はWebマスターとして改めて全体を俯瞰し、自社サイトを見つめ直した。すると、ユーザーへHondaとして最適なブランド体験を提供するための改善点が見えてきた。
これは、各事業部門がコンテンツを単体で見て、完成度をチェックするのに留まっていたことから生じた事態だった。Webサイトを訪れるユーザーに対し、縦割りで各コンテンツが制作されていたため、関連コンテンツ群を横串に捉え、ユーザーの導線に沿って最適なブランド体験を提供するためのユーザー視点が欠けていたのだ。
そこで、各事業部門のWeb担当者と打合せを重ね、課題を把握すると共に、最適なコンテンツ企画を練り上げるための方法を繰り返し話し合った。そして決まったのは広報部のWebマスターが、事業視点とユーザー視点を両立させる"コミュニケーション・コーディネーター"として機能し、社内全体の啓発や各部門の個別案件のコンサルティング活動に注力することだった …