「一年の計は元旦にあり」米国はフィットネス業界の新年広告が盛んに
アメリカでは新年を迎えるとNew Year’s Resolutionという「アメリカ版・新年の抱負」のようなものが世間を賑わす。その結果、何か新しいことを始めさせようとする広告が、年初に溢れることになる。
米国広告マーケティング事情
古くからユニフォームに企業広告を入れている欧州サッカーとは対象的に、米4大プロスポーツ(NFL/MLB/NBA/NHL)はオールスター戦やチャリティー目的など特別な機会を除き、シーズン中のユニフォームへの広告は禁止されていた。しかしNBAは今シーズン(2017-2018)その左胸に企業広告を解禁(1)。スポーツ界はもちろん各業界に衝撃を与えている。
これまでユニフォーム広告が許されなかった理由のひとつは、多くのアメリカ人が「ユニフォームはスポーツ(ゲーム)の高潔さを保つための聖域」と考えているからだ。とはいえ現在はどのチームも複数企業とスポンサー契約を結んでおり、試合会場の屋内外には多くの企業広告が並ぶ。それでも「ユニフォームは特別な存在で広告はNG」というのがこれまでの暗黙の了解だった。
実際、1999年からユニフォームに特化した記事を連載し、現在はブログ「Uni Watch」管理人のポール・ルーカス氏は今回の広告解禁について「これは世界の終わりか?ノー。では、かっこよく見えるか?それもノー。もっと重要なのは、それ(広告)が良いことと感じないことだ。ユニフォーム自体がチームの"ブランド"。だからこそパワフルで、誰が着ようとそのチームを応援し続けるんだ」とESPN.comに寄稿した。
また、MLBのニューヨーク・メッツやNFLのニューヨーク・ジャイアンツの熱狂的ファンで知られる俳優のジェリー・サインフェルドもテレビのトークショーで「選手は毎年入れ替わる。だからファンは選手じゃなくて好きなチームの服(ユニフォーム)を応援しているんだ。昨日までライバルチームにいた大嫌いな選手が今日ひいきのチームに加入して、"アンタが大好きだ"となるのも好きなチームの服を着ているから」と発言、拍手喝采を浴びた。
ルーカス氏は「広告が悪いと言っているのではない。自分の給料も(メディアへの)広告費から出ていると認識している。私はただスポーツには"広告フリーゾーン"を設けるべきと言っているだけ。ユニフォームはその中のひとつ」と持論を展開している …