米ハロウィーン市場は1.8兆円「Spooky」をテーマに盛り上がるキャンペーン
10月31日のハロウィーンは仮装代やお菓子代に加えて、パーティー費用や装飾代など多くの支出が見込まれる一大イベント。キャピタルワン銀行は2023年米ハロウィーンの支出を総額122億ドル(約1.8兆円)と予測している。多くの企業が行ったハロウィーン・キャンペーンに共通する“テーマ”とは?
米国広告マーケティング事情
2月4日にミネアポリスで開催される第52回スーパーボウル。広告業界では数カ月前から盛り上がりを見せているが、今年は開催前から社会現象となっているBud LightのCM「Dilly Dilly」(1)が注目を集めている。
昨年8月、人気ドラマ「Game Of Thrones」のシーズン最終話用に制作されたBud LightのCM「Dilly Dilly」は、ドラマの設定と同じ中世の欧州らしき国で民衆が王と王女に贈呈品を献上するシーンで始まる。
まず、最初の男がBud Lightを差し出すと「君こそ王の真の友人だ」と王は微笑み、Bud Lightを宙にかざして「Dilly Dilly」と乾杯の音頭を取る。そして民衆も「Dilly Dilly」と大合唱を返す。
やがて別の男が「王さま、これは私が最近ハマっているワインです」とボトルを差し出すと、王の表情が一転し沈黙する。王は「彼(家臣)が“Pit Of Misery(悲惨の牢獄)”に案内するのでついていけ」と命ずる。ワインの男が焦っていると、民衆の一人が「“Pit Of Misery”にDilly Dilly」と叫び、また皆で合唱し乾杯する。
バドワイザーには90年代後半、3匹のカエルが「バド」「ワイ」「ザー」としゃべるCM「Budweiser Frogs」や風変わりな挨拶を交わすCM「Whassup」を制作し大ヒットさせた歴史がある。今回もその伝統芸ともいえる意味不明な乾杯音頭「Dilly Dilly」がバーや自宅で真似されるヒットCMになっていった。
庶民が宴会場の王様にBud Lightを献上しにやってきて、ご機嫌の王様は「Dilly Dilly!」と乾杯の音頭を取る。やがて一人だけワインを持参する男が現れ、王様の表情は曇り、空気は一変する。家臣に「悲惨の牢獄へ案内しなさい」と連れ去られる哀れな男に向かって、聴衆全員が「悲惨の牢獄へ、Dilly Dilly!」と大合唱する。
では一体「Dilly Dilly」にはどんな意味があるのか …