加工の難しさを理由に、味が良く、栄養価の高いオニグルミの価値は見過ごされてきた。胡桃澤知秀氏はこの埋もれていた地域資源に着目。関係者との繋がりや事業化の目途がないゼロの状態から、構想を考え、実績を出し始めている。

オニグルミ(右、中央)を使ったアイスクリーム(左)がクルミを食べる習慣のないタイで613いいね!を獲得した。
信州産オニグルミをブランディングすることで、地域活性化に貢献したいと考え、「ふるさとグローバルプロデューサー育成支援事業※」に参加した胡桃澤氏。
※ふるさとグローバルプロデューサー育成支援事業は、中小企業庁の補助事業として平成28年度に株式会社ジェイアール東日本企画が実施、カリキュラムの作成等を学校法人日本教育研究団事業構想大学院大学に委託しました。
クルミは、健康効果の高い食品として消費ニーズが拡大している日本古来のスーパーフード。数あるクルミの中でもオニグルミはオメガ脂肪酸の含有率が極めて高く、フルーツのような良い香りを持つ魅力的な品種であるが、生産量は限定されている。というのも、県内で多く生産されているシナノグルミに比べて、オニグルミは栽培が難しくて収穫量が安定しないうえ、殻が硬くて加工時にロスが生じやすいことから、次第に生産放棄されるようになったのだ。
「クルミの聖地である長野でオニグルミの価値を再評価し …
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