2016年、創業300周年を迎えた中川政七商店の13代中川政七氏。独自のブランディングノウハウを活かして、工芸メーカーや産地の再生を推進している。
1716年に奈良で創業し、手績み手織りの麻織物の製造・卸・販売業を営み、2016年に300周年を迎えた中川政七商店。その13代目である中川政七氏は、2002年の入社時に12億円だった年商を46億円(2016年2月)にまで拡大した原動力である。
中川氏が重視しているのは「商品をいかに売るかではなく、いかにブランドをつくるか」。ものづくりの想いを直接消費者に伝えるために、表参道ヒルズへの出店(2006年)など直営店の拡大を進め、工芸メーカーとしていち早くSPA(製造小売)業態を確立。同時に、「ブランドマネジャー」を置いて社内の企画やデザイン力を強化し、商品数を増やして売り上げも急伸させることに成功した。
さらに、「自社で培ったノウハウを …
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