電子カルテシステムの導入は大手病院が中心で、一般診療所の導入率は伸び悩む。この市場を狙い、昨年12月、業界初の無料のレセコン一体型電子カルテシステムがリリース。仕掛けたのは、ネットプリント業界でシェア1位を実現した経営者だ。
国内には、病床が19床以下の一般診療所が10万1099施設(2016年1月末現在)ある。そのうちレセコン(診療報酬明細書の作成システム)の導入率はほぼ100%だが、電子カルテは約30%にすぎない。その理由はコストにある。国内大手電子カルテシステムは初期導入費が約350万円、保守料も年間40万円程度かかるという。
「私たちは『完全無料』のビジネスモデルで、一般診療所の経営コストを劇的に下げることを目指します」と話すのは、きりん 代表取締役の永用万人氏。永用氏は、これまで30社近い会社を立ち上げた起業家だ。中でもネットプリントショップのしまうまプリントシステムは、1枚5円という破格の価格で市場に参入し、数年でトップシェアを占めるまでに成長した。
「電子カルテは機能面では大きく差別化しにくい。そのため …
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