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FOCUS ターゲットインサイト

高級感が売りのミニバン「エスクァイア」がヒット その戦略は?

トヨタマーケティングジャパン

「人の心を動かすツボ」と言われる「インサイト」。どんな心の「ツボ」をつけば、生活者の「欲しい」気持ちを生み出せるのか。毎号一つの事例を取り上げ、その背景にあったインサイトを紹介していきます。

5ナンバークラスのミニバンに上質・高級の切り口

2014年10月末に発売されたトヨタ自動車の新型ミニバン「エスクァイア」が好調だ。発売から約1カ月間で約2万2000台を受注し、月販販売目標の約5.5倍の初速を達成した。エスクァイアの売りはワンランク上の高級感。先行する「ヴォクシー」「ノア」とベースは共通だが、エクステリアとインテリアを仕様変更している。外観の最大の特徴は押し出しの強いフロントグリルで、インテリアはシートに合成皮革を採用し、内装色にバーガンディを設定するなど、これまでのミニバンになかった上質さを演出する。

開発の背景について、トヨタマーケティングジャパン 藤渕明男氏は「リーマンショック後の“身の丈”を求める気分が、一昨年からの再成長の文脈に乗って、“ひとつ上の消費で自分もアップグレードしていきたい”という空気に変化してきていた」と説明する。その兆候は、エアログレードのミニバンなど、こだわりの商品の人気が高まることに現れていたという。そこで、各社広さや使い勝手で競っていた5ナンバークラスのミニバン市場に「ひとつ上」という新しい選択肢を持ちこんだ。

エスクァイアのターゲットは、ヴォクシー(30代中心)よりもやや高い40代が中心。自分のために、家族のために「まだまだ上を向いていきたい」と次なるステージを目指す男性の向上心にフィットする車にしたいと考えた。

こうした考えから、広告は「日本も、私も、ここからだ。」と熱い気持ちを胸に秘めた男性たちが登場するクリエイティブにした。広告キャラクターにはバットマンを起用。バットマンは、生身の人間でありながら、社会正義のために、上を向いて戦い続けているヒーロー。そんなバットマンに、日本の男たちを鼓舞する役割を期待した。

さらに、各販売店を巻き込む施策として、広告コピーの「日本も」「私も」の部分をそれぞれ「○○(地域名)も」「□□(販売会社名)も」に変えられるようにしたCMやグラフィック素材を用意した。通常の販促物に比べて大幅な採用率を達成し、初速に大いに貢献した。

    point 1

    「上向き」になった時代感を捉え5ナンバーミニバンに「ひとつ上」の新たな選択肢を提示

    point 2

    地域ごとにコピーを差し替えられる広告素材を提供

トヨタマーケティングジャパン コミュニケーション局プロモーション室
室長 藤渕明男氏(ふじぶち・あきお)

1992年トヨタ自動車入社。一貫して国内の新車マーケティング業務に携わる。2014年より現職。

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