インターネットの課題が顕在化しつつあるなど、メディアを取り巻く環境が大きく変化している中で、生活者とのコミュニケーションをどうデザインしたらいいのだろうか?コミュニケーション戦略のエキスパートである吉田 透氏は、メディアを「情報環境」として捉え直し、ユーザー側の視点で「情報環境」を再整理してメッセージを届けることの重要性を強調する。
コミュニケーションの進化は第3段階の最終形へ
インターネットが使われ始めた頃、広告におけるメディアやコミュニケーションのあり方について、これまでの経緯をまとめるとともに今後の予測を立てたことがある。まず、かつての広告会社はメディアの広告スペースの販売代理業として機能していた。これが第1段階で、その後、広告会社はクライアントが抱えるマーケティング上の課題を解決する代理業になり、メディアプランニングやブランディングなどに仕事の軸足を移していった。これが第2段階だ。
そして第3段階として、これからはインターネットの普及で流通情報量が爆発的に増え、広告会社は一般生活者が情報収集する際の代理機能を担うに違いないと予測した。しかし、それがどんな姿で、どんなビジネスモデルなのか、当時は想像がつかなかった。今考えればそれはグーグルだった。現在は第3段階の最終形に近いと考えている。
メッセージを届けるときは「量」より「質」を重視
メディアという言葉の使い方にも長い間、違和感を覚えてきた。Nakedでは「メディアプランニング」という …
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