オウンドメディアを続けることが困難になる要因のひとつに「効果が出ない・分からない」といった課題がある。オウンドメディアの効果測定のポイントについて、中山順司氏が解説する。
オウンドメディアの運営は、企業のブランド価値を高め、顧客との深い関係を築くための重要な手段です。しかし、その価値を正しく評価し、経営層に伝えることは容易ではありません。
この記事では、広報の現場でオウンドメディア運営に奮闘する皆さんに向けて、持続可能なオウンドメディア運営のためのポイントを効果測定の観点から分かりやすく解説し、経営陣に対してオウンドメディアの必要性と理解を深めてもらうための考え方を説明します(オウンドメディアの定義、意義、価値については、すでに一定の社内理解がある前提とし、本稿では割愛します)。
オウンドメディアが閉鎖してしまう理由
まずオウンドメディアの運営は、一筋縄ではいかない長丁場の戦いです。途中でつまずき、最終的にリタイアに至るには大きく4つの理由があります。
理由1 売上に直結しない
短期的な売上向上を目指して立ち上げられたオウンドメディアは、しばしば期待に応えられない結果に終わります。確かに、資料請求やリード獲得を最終目標とすることは適切です。しかし、一定レベルの認知度を獲得し、検索結果で上位に表示されるには時間が必要であり、そのためには中長期的な運営戦略が求められます。
理由2 予算の不足
コンテンツの制作には、キーワード調査、戦略設計、企画や原稿の作成、執筆、校正、修正、最終確認、入稿、拡散に至るまで、それなりの予算が必要です。しかもメディアを継続する間は固定コストになります。コストに見合った成果がないと、縮小もしくは閉鎖の可能性が高まります。成果を決めずに立ち上げてしまい、後々でコストに見合っているかどうかの判断で苦労するケースも珍しくありません。
理由3 運営にかかわる人員の不足
執筆者と編集者(編集長)への過度な負荷が原因で、運営の継続が難しくなるケースです。
- コストを削減すべく内製化したけれど、外注費をゼロにできた代わりに社員がパンク
- 執筆や編集の経験がないのにアサインされてしまった
- 兼務なのでどうしても片手間になってしまう
理由は様々ですが、時間、経験、スキルといったリソース不足で更新が滞り、なし崩し的に自然消滅してしまうこともあります。
理由4 アクセスの低迷
「売りたい気持ち」が先行し、読者ニーズそっちのけで企業都合の記事ばかりを掲載すると、その記事はまず読まれません。結果、検索結果に上位表示されることもなく、人の目に触れることすらないでしょう。
売上やリード獲得以前に、一定の読者、ファンが付かなければ何も始まりません。アクセスがなければ、運営者の心が折れるか、予算が無駄と判断されて閉鎖されるかのどちらかです。
軌道に乗せて成果を出すまでの5ステップ
オウンドメディアを成功に導くためには、…