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地域活性のプロが指南

「少し先」を体現する人・場所紹介し都市イメージ豊かに

大垣弥生(生駒市広報広聴課)

奈良県生駒市では、主体的に暮らす市民のライフスタイルを紹介するサイト「グッドサイクルいこま」を2019年に開始。市を深く理解する人を増やし、共感の輪を広げている。

奈良県生駒市は、隣接する大阪のベッドタウンとして発展してきた住宅都市です。市制施行の1971年は約3万7000人だった人口が、現在は3倍の約11万7000人へと増加しました。しかし、少子高齢化が急激に進行し、市民の皆さんの生活スタイルや社会環境も大きく変化。これに対応したまちになるため、2019年に策定した第6次総合計画では「ベッドタウンからの脱却」という新しい方向性を表明し、豊かな人と人のつながりの中で、市民一人ひとりが多様な生き方や暮らし方を叶えるまちへ進んでいくという方針を掲げました。

まちへの共感を目指す

第6次総合計画の策定と同時期に開設したのが、プロモーションサイト「グッドサイクルいこま」です。トップページには「いいサイクルはじめよう、いこまではじめよう。あなたの一歩は、誰かのはじまりに。あなたの一歩が、いこまの未来に。」というリードコピーを記載。互いに関わり合うことで、螺旋状に成長していこうとするまちの意志をやわらかく伝えています。

メインコンテンツは、行政情報やアクセスといった機能的な情報ではなく、主体的に暮らす市民の皆さんの多様なライフスタイルです。これによって、情報のオリジナリティを担保しながら、地域への共感や豊かな都市イメージを獲得することを目指しています。

サイトのコンセプト設計には何カ月もの時間をかけました。プロジェクトは、委託先であるオフィスキャンプからの50以上の質問に答えることからスタート。地域の変化に行政はどう対応してきたか、これからどんな地域になりたいのか、そのために不足しているものは何か、デザインに何を望むか……といった問いに改めて向き合いました。デザイナー陣は、何度もまちに足を運び、まちに思い入れのある人たちと語り合ってくれました。

そんなプロセスを経て受けた提案は「将来都市像をいち早く体現している人や場所を紹介して、少し先の生駒を見せましょう」というもの。当初は、なぜ「今」ではなく、「少し先」の生駒を見せるのか全く理解できませんでした。

「グッドサイクルいこま」
2023年3月、生駒から半径20キロ圏内に住む25~44歳の2000人を対象にアンケートを実施。サイト閲覧後、5割以上が「生駒に行ってみたい」「生駒について話をしたい」といった気持ちの変化があったと答え、自由記入欄には「人とのつながりがあるまちであることを知った」「生駒山と遊園地のイメージしかなかったが、良いイメージをもった」といった好意的な回答が並んだ。

サイトコンセプトを転換

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