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地域活性のプロが指南

1年任期で市民がSNS発信 まちへの愛着に変化

大垣弥生(生駒市広報広聴課)

奈良県生駒市の魅力を市民自身が発掘し、SNSで発信するPRチーム「いこまち宣伝部」。市を推奨するファンを増やす取り組みとして2015年から継続する。宣伝部の活動によって、どのような変化が起きているのか。

2023年10月、いこまち宣伝部9期生の活動がスタートした。宣伝部の枠組みを通じて、人と人が出会い、まちを推奨するファンが増えていく。宣伝部を卒業した後も、生駒に主体的に参加する動きが見られている。

「育児と家事に追われていた私が、たくさんの人に出会い、その思いに触れ、まちを知るうちにどんどん生駒が好きになりました。朝起きて天気がいいとなんだか幸せな気分になるように、自分の暮らすまちのステキな人を知ると日常が輝きだすように思えます」(いこまち宣伝部3期生 高橋純子さん)。

「取材を通して、たくさんの人に会いました。その笑顔に、私自身が1番癒され、励まされ、勇気をもらったような気がします。人と人の出会いという最もシンプルな方法で、生駒が好きな人を増やしていく。いこまち宣伝部の経験は、一生の宝物です」(同6期生 中村京子さん)。

「いこまち宣伝部(以下、宣伝部)」は、生駒市の公式SNS「グッドサイクルいこま」を通じて、生駒の魅力を発信する市民PRチームです。冒頭の言葉は、部員の方がご自身のSNSを通じて発信されました。

市民と共にSNS運用

市公式SNS(Facebook/Instagram)「グッドサイクルいこま」は、宣伝部員と市職員が交代で投稿している。まちの人や店、自然など、宣伝部員はそれぞれの視点で、まちの魅力を見出し、写真とテキストで物語を紡いでいる。

宣伝部は、取材先の選定から、アポ取り、取材、撮影、記事作成まで全てを担当します。プロのカメラマンやライターによる撮影や取材方法に関する基礎的な講座を受講した後は、「月に1回投稿する」ことだけが決まっている1年限定の自由な活動。部員の皆さんが楽しまれている様子が伝わっているからなのか、無償であるにもかかわらず、8年間で100人以上が参加する活動として継続しています。2020年からは、OMデジタルソリューションズと連携協定を結び、OM SYSTEMの一眼レフカメラを無料で借りられることも魅力のひとつです。

立ち上げは2015年夏のことです。生駒市は、まちづくりの基本的な考え方として「多様な主体との協創」を掲げているため、広報活動も市民の皆さんと取り組みたいと課員みんなが考えていました。また、広報紙の読者アンケートを通じて「地域のお店や教室の情報が知りたい」というニーズがあることをつかんでいたものの、行政は公平性の観点から特定店舗の活動を自由に発信できないというジレンマを抱えていました。

そんな時、市長から「そろそろ生駒も公式フェイスブックを始めましょう」と指示を受け、市民の皆さんと共に地域情報を発信するSNSを...

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