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スタートアップ企業の転機

「自社がなぜやるのか」想い伝え心を掴む、CAMPFIREの広報戦略

下矢一良(PR戦略コンサルタント・合同会社ストーリーマネジメント代表)

テレビ東京出身で経済番組のディレクターを務めていた筆者が、メディアで話題となっているスタートアップ企業の転機に迫ります。

DATA:CAMPFIRE
創業年 2011年1月
事業内容 クラウドファンディングのプラットフォームを運営
従業員数 173名(2023年6月末時点)
広報体制 1名

「後回しにされがちだが、例え社員が数人しかいなくとも広報・PRは早めに入れたほうが良いと投資先には言い続けている。PRはもとより社内広報・採用広報も含めて小さなうちこそ重要」(2018年11月のツイッターより)。

このようにスタートアップ企業にとっての広報の重要性を指摘したのは「CAMPFIRE」を立ち上げ、今はベンチャーキャピタルの代表も務めている家入一真代表だ。

自社がやるべき理由を伝える

スタートアップ企業にとって、なぜ広報は大切なのか。家入代表に真意を尋ねた。

「テクノロジーがコモディティ化(一般化)しているので、市場では同じようなサービスが氾濫しています。このためユーザーは『流行っている』とか『安い』ではなく、サービスの裏にある哲学で選びます。だからこそ、企業のトップは(広報活動によって)『自社がなぜその取り組みをやるか』を語らなくてはならないのです」。

創業当初から広報を大切にしてきたこともあり、「CAMPFIRE」はこれまでメディアでも相当数、取り上げられてきた。

記事データベース「日経テレコン」で「CAMPFIRE」を検索すると、2011年の創業以来、テレビ・全国紙・地方紙・主要ビジネス誌だけでも、2400件を超える記事が出てくる。

これほど多くのメディアに取材されている「CAMPFIRE」だが、重視しているのは意外にも全国放送の人気番組などではなく、地域密着型のメディアだという。「『CAMPFIRE』はミッションを創業以来、『一人でも多く一円でも多く、想いとお金がめぐる世界をつくる。』と掲げています。だからこそ、その地域で挑戦者に寄り添っているメディアで取り上げられると嬉しいですね」。

トップの想いをリリースに掲載

広報の発信手段としては、主にプレスリリース配信サービス...

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