ブランディングを目的とし、事業者の姿勢を示すストーリー性のあるコンテンツ制作に対し、経済産業省は補助金制度を設けている。2021年度はすでに応募を締め切っており、2022年度はこれから検討されるが、こうした支援が始まった背景と、対象となるコンテンツとは?
企業のブランディングのために、自社の姿勢や理念に対する顧客の共感を呼ぶストーリー性のある映像、「ブランデッドコンテンツ」。この制作・発信、効果検証などに必要な経費の一部を支援する取り組みを経済産業省が2020年度から行っている。コンテンツ産業の裾野を広げることを目的にしたもので、2020、2021年度は1社最大1000万円の補助とした。
ここでいうストーリー性のある映像とは、「事業者の姿勢や理念に基づいた、エンターテインメント性を有するブランディング映像であり、視聴者の興味をかき立て、コンテンツとしての共感を呼び起こすものを想定しています」と商務情報政策局 コンテンツ産業課長の高木美香氏。
「これまでは広告枠を買えば、視聴者の時間も買うことができていましたが、メディアに依存しないコンテンツ流通が可能になった今、生活者の限られた時間の奪い合いがより激しくなり、プッシュ型の広告は届きにくくなっています。企業と社会のコミュニケーションも“共感されるストーリー”が軸となりつつあることから、『ブランデッドコンテンツ』という手法の重要性が増してきています」。
また、デジタル配信を伴う映像はグローバルでも発信でき、媒体費を持たない中小企業や自治体も活用しやすい。こうした背景から本制度は実施されており、2022年度も...