既存事業の資産を活用しながらブランドを拡張するポイントは?ウェルエイジングを支援するキューサイと、ふくおかフィナンシャルグループの国内初デジタルバンク、みんなの銀行による対談。
※本稿は「宣伝会議リージョナルサミット」での講演内容をまとめたものです。

(左)キューサイ
代表取締役社長
神戸 聡(かんべ・さとし)氏
広告会社、化粧品会社を経て、2015年キューサイ入社。2017年代表取締役に就任。青汁の原料であるケールの魅力を伝えるために、イベント実施、ポップアップショップ展示等、認知普及に力を入れる。
(右)みんなの銀行
取締役副頭取
永吉健一(ながよし・けんいち)氏
1995年福岡銀行入行。2007年のふくおかフィナンシャルグループ設立等に注力。2016年企業内ベンチャーとしてiBankマーケティングを起業。その後、デジタルバンク「みんなの銀行」の立ち上げをリード。
未来の顧客を見据える
──事業やブランディングの取り組みについて教えて下さい。
神戸:キューサイといえば青汁のイメージが強いと思いますが、実は売上のほとんどは、スキンケア事業(コラリッチ)とヘルスケア事業(ひざサポートコラーゲン等)で構成されています。健康寿命の延伸に向け、医薬品事業にも参入しました。古臭いイメージが付いてしまっていたロゴは2019年に刷新。リブランディングの結果、信頼度、先進度、技術に強いイメージを獲得できています。
永吉:みんなの銀行は、銀行そのものをゼロから設計したデジタルバンクで、2021年に開業しました。銀行をデジタルで再デザイン、再定義し、デジタルネイティブなアプローチでサービスの向上を行っています。ふくおかフィナンシャルグループの各銀行でもデジタル化を推進していますが、銀行のビジネスモデル“そのもの”を変える新しいチャレンジであるため、既存の銀行とは別ブランドとして立ち上げました。

キューサイは2019年にロゴ変更。2020年に商品名やパッケージの変更を行いリブランディング。
──ブランドを進化させるために取り組んでいることは?
永吉:銀行の未来の顧客は誰か。そう考えると、UI・UXを重視するデジタルネイティブ世代とつながっていかなければ、という危機感がありました。この世代の行動の特徴をふまえ、フリクションレスの徹底(面倒くささを排除)、ハイパーパーソナライズ(自身に適した情報や体験を求める)、成果主義への...