挑戦的な広告クリエイティブや、同大発入学式パフォーマンスユニット「KINDAI GIRLS」の立ち上げなど、独自の施策で"唯一無二"のブランドイメージを築き上げてきた近畿大。今回の新型コロナウイルスの影響で、世の中全体が騒然とする中、スピーディかつ、"らしさ"を失わない情報発信で学生を支援した。

世耕氏によると、コロナの感染拡大に対する同大の取り組みも記載しつつ、かねてからのデザイン性が損なわれないよう腐心されたHPトップ画面。
4月30日、近畿大は、学生らに学修環境支援金として、一律5万円を支給することを発表。新型コロナウイルスの影響で授業がオンライン化するのに伴い、PC購入(レンタル)やネット環境の整備など、オンライン授業に備えてもらいたい考えだ。
対象は同大の運営母体が設置するすべての教育施設(大学、付属の中高など)に通う全学生・生徒・児童約4万7000人(2020年5月1日時点)。
さらに支給条件は設けず、「一律」にこだわった。結果、支出額は約23億円にも上る。「コロナの影響で飲食店などが軒並み休業、学生らはアルバイトの収入源を失った上、自宅のオンライン環境を整備する必要まで出てきました。そして今後、大学が彼らを支援するのが『常識』『当たり前』になる。そうした時流を読んだ上での決断でした」。こう語るのは、同大経営戦略部長の世耕石弘氏だ。
オウンドメディアに実利とユーモアを
また、本校の支援策はこれにとどまらない。例えば、同大が運営するオウンドメディア「Kindai Picks」には、同大医学部のウイルス感染免疫学専門家・宮澤正顯教授によるウイルス対策講座の動画配信や、NHKで放送され話題をさらった番組『みんなで筋肉体操』の監修を務めた同大生物理工学部・人間環境デザイン工学科の谷本道哉准教授が考案した、外出自粛期間中に自宅でできる「おうちで筋肉近大体操」の動画配信など、実利とユーモアを兼ね備えた情報で視聴者を飽きさせない工夫も施されている。

近畿大運営のオウンドメディア「Kindai Picks」のトップ画面。Stay Home週間で、外出自粛の中でも学生らが有意義な時間をすごせるよう、多種多様なコンテンツが発信されている。
スピーディさでメディア露出最大化
こうした...