物価高騰の時代におけるメーカーと小売業との有効な接点のつくり方の1つとして、「インサイトの活用」があります。メーカーの方と買い物客(ショッパー)のインサイトについて話をする際に、「インサイトとウォンツの違いは何か?」このような質問を受けることがあります。また、「インサイトと、アンケート調査などから集まったモニターの声とはどう違うのか?」などの声も聞かれます。本稿では、こうした質問の答えから始めます。
私が考えるインサイトとは「心の中にあるホットボタン」です。また、「ウォンツは消費者のニーズを満たす商品やサービスへの欲求」であり、「インサイトは消費者が現実と理想の間に感じるギャップ(願望や不満)を埋めたい欲求」と考えています。
つまり、心の中にある欲求を満たすための“ホットボタン”を見つけて押すことが、インサイトを活用して人の行動を変えるコツ。この対象が買い物客(ショッパー)の場合は、新しい買い物行動や購買の習慣を創ることが、売上などに繋げることになるのです。
ショッパーインサイトを売上につなげるためのフロー
図1 インサイトを売上につなげるフロー

図1は、商品の開発や売り方などを企業の皆さんと考える際に使用しているものです。…
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