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リテールインサイト徹底解剖~小売を知ればメーカーは変わる~

メーカーの営業の皆さん、その商談は「バイヤーの期待」に応えられていますか?

倉林武也氏(リテイルインサイト)

この数年、AIやChatGPTの活用などデジタル化が進んだことにより、小売業の作業効率や商品の受発注などの運営面では改善が見られました。しかし、そうしたデジタル技術の活用は、メーカー企業が『小売業から選ばれる商品』として決め手になる効果には、まだつながっていません。メーカー視点による商談や施策の提案では小売業から評価が得られない時代に、メーカーの営業活動のポイントを解説していきます。

コロナ禍が過ぎても物価高騰が続く世の中、エンゲル係数も40年ぶりの高水準に達するなど「食費が圧迫、細る家計」という声があちらこちらで聞こえてきます。これらは小売業とメーカーの関係や商談にも大きな影響を与えていることを、皆さまはご存知でしょうか。

いま、食品や生活用品などの日用品を扱う小売業のバイヤーからは、「従来の提案内容なら商談は行わない」「お客さまの価値観にあった商品や企画を用意してほしい」といった要望が次々に挙がっています。今まで自社商品の説明を中心に広告や販促による支援策、値入の条件などをセットに商談をしていたメーカーの営業にとってみれば、まさに小売業への取り組みや提案の大転換を求められているのです。

小売業とメーカーが見ている「売上」は違う

メーカーの営業の皆さんは、自分たちの商品の特徴や他社との差別化のポイントを伝え切っても、バイヤーから「我々の店舗に合わない」や「店舗や売場全体の課題に応えて欲しい」という厳しい声を聞くことがあると思います。市場データや競合商品との比較表をもとに説明しても、以前のようにバイヤーから評価や納得を得ることができなくなってきました。

メーカーの営業の皆さんもこうした経験や変化から小売業との商談に課題や矛盾を感じることがあるのではないでしょうか?

この矛盾は元来、「小売業が期待するもの」と「メーカーが期待するもの」には大きな違いがあることが背景にあります。しかし、この数年続く物価の高騰が、両者の「期待」の違いをより鮮明にしている状況です。

例えば、「売上」という観点。小売業にとっての「売上」は、“自店が取り扱う商品すべてを対象にした総販売額”を指し、メーカーが指標として見ている「売上」は“自社商品の取り扱いされる数や販売額”になります。

つまり小売業からすると、売上を構成する商品は、どのメーカーであるかという観点でなく、お店に並ぶ商品であればどれでも構わないことになるのです(図1)。

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