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スポーツと高めるキャンペーンの効果

街づくりのノウハウを活かしたラグビーの街でライトファンを取り込む

出雲隆佑、菊池春奈(三菱地所)

2018年にラグビーワールドカップのオフィシャルスポンサーになり、2020年からはラグビー日本代表のオフィシャルスポンサーとして活動を開始した三菱地所。街づくりを行う会社として、スポーツの応援をいかに街の発展へとつなげていったのか。同社 広報部 ラグビーマーケティング室 出雲隆佑氏と菊池春奈氏に話を聞いた。

時計回りに丸の内ラグビー神社

前回大会に次ぐ8強進出への望みをかけ、連日激闘を繰り広げたラグビーワールドカップ フランス大会。日本代表メンバーの姿は国民の大きな感動を呼んだ。そんなラグビーシーンを、2019年の母国開催時からワールドカップオフィシャルスポンサーとなり支えてきたのが三菱地所だ。2020年からは日本代表のオフィシャルスポンサーとしてラグビーブームを牽引してきた。同社広報部 ラグビーマーケティング室 出雲隆佑氏は、ワールドカップオフィシャルスポンサーに決定した当時のことを次のように振り返る。

「当時は、ラグビーワールドカップが日本で開催することすら世の中に認知されていませんでした。そのため、我々としてはまず、ワールドカップおよびラグビーの認知向上をスポンサーとしての目標に掲げました」(出雲氏)。

ARTSCRUM HANDPRINT PROJECT(ベンチ)

ブランコはラグビーのゴールポストをイメージして設計された。

その戦略を練る中で出てきたのは、今までラグビーに触れてこなかった「ライトファン」を取り込むことの重要性だった。そこから発想したのが三菱地所の強みである「街づくり」とラグビーの掛け合わせ。その結果、新たに立ち上がったのが「丸の内15丁目プロジェクト」だったという。「『ラグビー』を主語にしてしまうと、ラグビーファンだけの“閉ざされたコミュニティ”になってしまうのではと懸念していました。そこでできたのが『丸の内15丁目』というネーミング。現実の丸の内には3丁目までしかありませんが、15人制ラグビーになぞらえ、ラグビー好きが集まれる架空の街として進めていくことになったのです。そのため、ラグビーをテーマにした多様なコンテンツであふれる街を表現できるよう、実際の街にある美術館やレストラン、映画館などにラグビーの要素を掛け算していくことにしました。丸の内を歩きながら、ふと気づいたら『これってラグビーと関係があったんだ』と感じてもらえることを目指しています。ラグビーに関連したコンテンツを体験した後にラグビーへの理解が生まれるような企画を心がけました」(出雲氏)。

ラグビーといえば丸の内

こうした「ラグビーファンづくりに貢献する」という姿勢は、2020年にラグビー日本代表のオフィシャルスポンサーになった後も変わっていないと出雲氏は続ける。目指したのは丸の内を起点としたラグビーコミュニティの設計。「サッカーといえば、渋谷スクランブル交差点」というイメージも…

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