禍を転じて福と為す──ではないが、このコロナ禍において、逆に客単価を上げたチェーン店がある。ファミリーレストランの「サイゼリヤ」である。
もともと、ミラノ風ドリアが299円、グラスワインが100円など、お財布にやさしい価格設定が人気の同チェーン店だ。しかし、先の緊急事態宣言では一部店舗を臨時休業したり、営業時間を短縮したりして、4月は前年同月比で全店売上高が33%まで落ちこんだという。その後、緊急事態宣言が解除されると、徐々に客足は戻ってきたが、依然、6月の売上高は前年比の6割にとどまった。
さて、ここから反転攻勢である。かなりニュースでも取り上げられ話題にもなったが、7月から「サイゼリヤ」はメニューの値上げに踏み切った。値上げ幅は──「1円」である。それまで末尾が「99円」や「49円」だった価格を「00円」や「50円」に統一したのだ。理由は...
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