味の素冷凍食品は8月12日、主力商品「ギョーザ」をリニューアルし、新商品として「しょうがギョーザ」、大容量パックの「みんなでわいわいギョーザ」を発売した。2003年度から15年連続で冷凍食品の単品売上高日本一を誇る「ギョーザ」のさらなる拡販戦略とは。開発担当者の鈴木誠志マネージャーに聞いた。
──「ギョーザ」を発売した1972年以降、売れ行きはどのように推移しましたか
発売当時、冷凍食品において餃子はメジャー商品ではありませんでした。どちらかと言えば、シュウマイのほうが売れるカテゴリー。「ギョーザ」の売り上げも、しばらくは大きく増えることがありませんでした。
販売が伸び始めたのは、1997年に「ギョーザ」を油なしで焼けるようにリニューアルしてからです。油をフライパンに敷く必要がなくなって調理が簡単になり、お客さまから支持を得ました。売り上げは右肩上がりとなり、2000年には一般家庭の食卓に普及したという印象です。
消費者ニーズをもとに利便性を高めた商品となりましたが、また1つ課題が浮かび上がってきました。
それは、蒸し焼きにする工程で、水が適量ではないために、餃子をうまく焼けず、本来のおいしさを楽しめないお客さまがいらっしゃることです。当時は、「ギョーザ」を1袋焼く際、100ミリリットルの水を量って入れていただく必要がありました。このため、「ギョーザ」のパッケージの裏側で目立つよう注意書きをしたり、餃子のトレイで水が量れるよう工夫したりしていたのですが、お客さまの多くは目分量で水を入れていることがモニター調査でわかりました。
そこで、2012年には、油・水なしで焼ける「ギョーザ」にリニューアル。誰でも綺麗に羽根付きの「ギョーザ」を焼けるようになり、売り上げがもう一段階跳ね上がりました。
その後もブラッシュアップを重ね、2014年には国産野菜を採用しました。ことし8月12日に発売したリニューアル品は、具と皮の黄金バランスを追求して薄皮の「パリッ」、肉汁の「ジュワッ」がより一層感じられるおいしさになりました。同時に、肉も国産にしました。
──リニューアルの際はどのようにして改良点を見つけていますか。
基本的に社員がヒアリングしてきた消費者の声をもとに、リニューアルしています。
「ギョーザ」を柱の商品と位置づけ、毎期しっかり見つめていこうと決めてからは、より深くそれらの声を拾えるように心がけています。
売れ筋商品に変更を加えるのは勇気が要りますが、「ギョーザ」はなんと言っても主力商品。「永久改良」を旗印に、消費者ニーズに合わせて常に変化させていくものと覚悟を決めています。これからも多くのお客さまの声を聞き、商品に反映したいと考えています …