販売・接客の現場で活躍する、35歳以下のキーパーソンたちに迫る本企画。これからの時代を担う彼ら・彼女らは、いまどんな思いを抱いて仕事に向き合っているのか。今回は、「Zoff MART"ALWAYS IN SEASON"ルミネ池袋店」の店長・井上雄也氏(33歳)だ。
アルバイトから新業態店舗の店長へ
昨年、ルミネ限定の新業態としてリニューアルオープンした、アイウエアブランドZoffの店舗「Zoff MART"ALWAYS IN SEASON"ルミネ池袋店」。スーパーマーケットをほうふつとさせるインテリアは、東京・自由が丘にある路面店「Zoff MART」を踏襲。特徴は、限定商品約50種を季節に合わせて入れ替える点だ。まるで生鮮品のように"旬"を感じさせる品揃えを目指した。
同店の店長を務めるのが井上雄也さん(33歳)。大学在学中からアルバイトで「Zoff 川崎ルフロン店」(昨年2月末に閉店)で働き、そのまま2007年の新卒採用で面接を受けて入社した、生え抜きの"Zoffスタッフ"だ。Zoffを手がけるインターメスティックの広報を務める東 祐太朗氏は、「内定が決まってからアルバイトとしても働いた経験を持つ社員は多いが、アルバイトから新卒で社員になるのは当時としてはめずらしかった」と話す。
井上さんは新卒で入社を決めた理由をこう話す。「バイトで入った店舗の先輩方がとてもよくしてくれて。公私共に仲良くしてくれましたし。就職活動もしましたが、結局、Zoffのほうが楽しいかな、と。入社すれば、かつての店舗でお世話になった方々ともまた一緒に働けるかもしれませんし。恩返しもできるかもしれない。アルバイトして入ってかなり早い段階で決めていました」
視力測定や加工業務も含め、業務もひととおりすべて教えてもらっていたという。「勤務時間が短い場合は、そこまで教えないのですが、僕の場合は、週4日はいたので。配属先の店舗で困らなかったのは、本当に感謝しています」
入社後、配属されたのは「ラゾーナ川崎プラザ店」。アルバイト時代は裏方業務のほうが多かったが、同店舗では接客業務がメインとなった。前述の「川崎ルフロン店」からもほど近く、「最初はどこに配属されるのかドキドキしていたのですが、フタを開けてみれば近所で。わからないことがあると、配属先はもちろんですが、川崎ルフロン店のほうにもアドバイスを求めたりして」(井上さん)。かつては機会に欠けた接客は、積極的にロールプレイング大会に出るなどして鍛えていった。
店長に昇格したのは2009年9月。当時としては最速での店長就任で、仙台市内の店舗に異動した。そのころ仙台にある店舗は3店舗だったが、4店舗めの出店が持ち上がり、井上さんが手を挙げた。
「2年間、緊張の日々だったと思います。最年少店長だったので、店長会のときは胃が痛くて」と笑いをまじえる井上さん。「ですが、若いからこそ、店舗のスタッフのためにもしっかり働こうと自覚したタイミングでもありました」
その後、2015年10月に札幌市内の店舗に異動。いまの店に着任したのは昨年3月のことだ。新たな業態に移行してからは、直近の天候不順に悩まされたものの、客数は増加傾向。ルミネのハウスカードの獲得数も、「ぶっちぎりです」(井上さん) …