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最大の好機、2020は目前!! 訪日客プロモーション、次の一手

日本製の商品のポテンシャルを発掘 現代に合った新たな価値提供がカギ

どんなに良い商品でも、存在に気づかれなければ、買われることはない。それは、国内の消費者も、国外の消費者も同じだ。日本の優れた商品・サービスを発掘し、販路開拓サポートを行う「おもてなしセレクション」に取材した。

「おもてなしセレクション」はこれまで、323の商品・サービスを認定してきた

発足から3年間で323の商品を発掘

日本の優れた商品やサービスを発掘、認定し、国内外に発信する「OMOTENASHI Selection(おもてなしセレクション)」は4月27日、2018年度の第1期の商品部門の受賞対象となった全47商品を発表した。応募総数397品から、百貨店バイヤーや卸売業者、雑誌の編集者などの日本人選定員と、海外8つの地域からの外国籍の選定員らが選んだもの。総合的な評価の高かった11品は金賞に決定した。

商品部門の応募期間は2017年9月1日~18年3月15日。同部門は期間を2期に分けて選定、認定しており、第2期の商品部門は8月に発表する予定。同じタイミングで体験・サービス部門の受賞者も発表する。

「おもてなしセレクション」がスタートしたのは2014年。2015年度から3年間にわたり、895品の応募から合計323の商品・サービスを認定。日本国内をはじめ、アメリカ・中国・台湾・マレーシアなど世界各国へ向けた広報活動と販路の開拓を行ってきた。

流通関係事業者と受賞事業者のマッチングでは、月に一度のメールマガジンの配信や、交流会の開催、おもてなしセレクションが主体となった販路の展開など、さまざまな方法があるようだ。「流通と受賞者双方の取引情報共有という意味では、2016年11月から約300件以上実施している」(おもてなしセレクション実行委員会)

実行委員会は「初年度の応募商品は、各地域に昔からあった伝統工芸や、おみやげなどが比較的多かった」という。しかし、「年々、斬新なデザインや、異なる業種がコラボレーションして制作した、近代的で新しい商品も増えてきています。また、訪日外国人観光客の増加を受け、海外消費者向けのコンセプトで開発した、グローバルな商品も年々目立つようになってきました」

これまでの販路開拓の例を挙げると、日本製の帆前掛けがロサンゼルス現代美術館で展示・販売されたことがある。メイド・イン・ジャパンを主軸に、生活雑貨からアートまでを揃える「トータスジェネラルストア」を通じ、販売に至った。

また、中国向けの越境Eコマース(EC)での販売を通じ、化粧品・美容関連商品が中国の大手百貨店で販売されたり、マレーシアの百貨店では子ども向けに安心・安全性を打ち出した入浴商材が好評で、さらに現地の空港のセレクトショップで扱われるようになったという。

「おもてなしセレクション」の参画社数は初年度の5社から、2018年度は17社に増えた。日本郵便や全日空商事といった、独自の販売チャネルを持つ企業も加わっている。

たとえば日本郵便では、同社のECサイト「郵便局のネットショップ」のコーナー「いいものジャパン」で受賞商品を販売したところ、主に40歳代以上の、日本全国の消費者との接点となり、認知度、販売が拡大。また、日本橋髙島屋で催事販売した例では、地方の小さな受賞事業者の商品が、同百貨店のバイヤーや、ほかの流通関係者の目に触れ、複数の販路で販売機会を得ることにもつながったという。

昨年開催された「おもてなしセレクション2017」特別賞の受賞者ら

台湾最大手百貨店「大遠百」3店舗を巡回するイベントを開催

「台湾国際旅行博覧会」日本政府観光局展示ブースへの参加も

高品質で日本の製品 それだけでは売れない

「おもてなしセレクション」で選定されたあと、ヒットしたり、反響のあった商品は「東京さしすせそ」「Cohana木製ハンドルの小ばさみ」(いずれもECサイト「ふるさと。おもてなしショップ」)、「下呂膏物語なごみしーと」(越境EC「豌豆公主」)、「樹が付いたブラシ」(ECサイト「The Tokyo Weekender shop」)など …

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