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最大の好機、2020は目前!! 訪日客プロモーション、次の一手

買い回り・観光の増加にも貢献 民泊レビューから生まれたベンチャービジネス

手荷物の当日配送サービス「Airporter(エアポーター)」は、訪日客のリクエストやレビューに後押しされて生まれた。国内消費者のニーズは細分化を極めているが、国外の消費者ニーズには、まだ未発見のものがありそうだ。

「Airporter」の注文画面。スマートフォンで簡単に手荷物の引き取り、配送を依頼できる

宿泊客のニーズに応え ホテルの手間を省く

京急グループでホテル事業の京急イーエックスインは4月27日、同社運営のホテル「京急EXイン品川駅前」をはじめ、各店舗へ、手荷物を当日配送するサービス「Airporter(エアポーター)」を導入すると発表した。

「Airporter」はスマートフォンなどを用い、専用Webサイト経由で手荷物の一時預かりと、空港への配送を頼めるサービス。宿泊施設で手荷物を預け、観光した後、空港で荷物を受け取れる。

入力するのは、東京か大阪の所在地、サービス側が荷物を受け取りに行く場所や配送する先、手荷物の情報など。そのまま決済もでき、支払いにはクレジットカードか、中国アリババの「アリペイ」が使える。

スーツケース1つを羽田空港や関西空港に送る場合は2500円、成田空港は2800円。日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)に対応する。タイ語の導入も検討しているが未定という。

フライトなどの時間まで間があり、出発日も観光や買い物を楽しみたい場合、ホテルのチェックアウト後に、手荷物を一時的に預かってもらえるサービスは便利だ。

しかし一方、ホテル側にとっては、手荷物の置き場所や管理、手続きに要する人手や時間など、負担の大きいサービスだったのも事実だ。サービス自体は喜ばれるが、対応するリソースは限られるという状況だった。

特に「京急EXイン品川駅」の総部屋数は935室。羽田空港を利用する際の前後の宿泊施設として、ビジネスパーソンのほか、訪日外国人観光客にも人気だ。

「『Airporter』はお客さまがスマートフォンなどから申し込み、伝票入力や支払いを完了した状態で手荷物をフロントにお持ちになります。フロントでは記入内容を確認し、手荷物をお預かりするだけで、とてもシンプルな工程で済み、スタッフの業務工数が大幅に削減されます。また、荷物1件につき100円の手数料が得られ、手数料収入が新たな収益源にもなり得ると期待されます」(京急イーエックスインの宮地太一・広報担当課長)

チェックアウト後は大きな荷物を抱えたまま、出発までの時間を過ごすことになるのがネックだった

「悪評レビュー」からすべては始まった

「Airporter」の創業は2017年11月。創業者は泉谷邦雄氏。早稲田大学在学中に貿易会社を設立、大学院卒業後は"生きた商売"を学ぶために、路傍の焼き芋屋を創業。2015年8月から民泊事業を手がけ、関連物件で累計2000人を受け入れてきた。観光客に「手荷物」についてのニーズがあることに気づいたのは、このころだ …

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