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最大の好機、2020は目前!! 訪日客プロモーション、次の一手

メディア発信のポイントは? ターゲット国の好みや視点をリサーチ・分析して発信

海外へ日本の魅力を発信するWebメディア『MATCHA』。英語や中国語(繁体・簡体)のほか、韓国、タイ、インドネシア、ベトナム、スペインの各言語に対応する。日本語は2種類あるのが特徴で、ふつうの日本語と、「やさしい日本語」がある。日本語を学習中の人にも、わかりやすく伝えようという意図だ。記事でも、外国籍のライターらによって、日本を訪れる人のニーズに沿った企画や取材をしているのが強み。海外への情報発信についてヒントを探った。

海外へ日本の魅力を発信するWebメディア『MATCHA』。10言語に対応し244の地域と国からアクセスを集める。

月間PV数は500万回 前年同月比2.1倍と成長続く

「MATCHA(マッチャ)」は日本から海外へ、観光情報のほか、日本での暮らし方などを紹介するWebメディアだ。

社内スタッフは29人で、そのうち外国籍の人は10人。台湾が4人、タイが3人、ルーマニアやバングラディシュ、ドイツがそれぞれ1人。外部の協力スタッフを含めると、メディアとしての『MATCHA』は、100人規模に及ぶ。

掲載しているのは「秋葉原のオタクスポット44選&行き方・エリアガイド【保存版】」「初心者向け 築地市場の『場内』と『場外』の違いとは」「大阪の迷宮『梅田地下街』を攻略せよ!JR大阪駅から各梅田駅への行き方」など。2014年にオープンし、現在の記事本数は約1万8000本に上る。Webでの発信のほか、スマートフォンアプリもある。

ことし3月時点の月間ページビュー数は500万回に到達し、ユニークユーザー数は200万人を数える。前年同月比で210%に成長した。アクセス元は、世界244の国と地域にまたがり、アクセスの多いエリアのトップ3カ国は、台湾、タイ、香港。また、「Facebook」ページの「ファン」の数は、ことし3月31日時点の合計で約108万人に上る。

読者の男女比は、おおよそ女性が6、男性が4。年齢では25歳~34歳がボリュームゾーンで41%を占め、ほかの世代は20%前後となっている。利用するタイミングは旅行前が86%、旅行中が14%だという。

2014年の設立から4年間で、こうした読者基盤を築いた『MATCHA』の、記事の企画の立て方は、主に2つ。

ひとつは、検索数や、リサーチなどで国や地域、言語ごとのニーズを把握し、それに合う記事を企画・制作するパターンだ。

もうひとつは、『MATCHA』にかかわるライターをはじめ、数十人の各国ネイティブが企画するもの。運営企業MATCHA(東京・台東)のインバウンド戦略部企画推進室で主任を務める宗徳かおり氏は、「彼ら・彼女らの"クリエイター"としての視点から、『このトピックなら必ず反響がある!』といったものを記事にしてもらっています」と話す。

これまで最も読まれた記事は「機密情報のため明かせない」というが、「外国籍のメンバーが主導で記事を企画するため、あくまで日本人として先入観を覆された、という話ですが、主にアジア圏には根強い日本ファンがいることはよく感じます」と宗徳氏は語る。

「たとえば、日本人に話しても知らないようなスポットが、台湾の方々にとても人気があったり、ガイドブック的な観光記事ではなく、カルチャー系のメディアが載せるような最新カフェやショッピングスポット、観光スポットを取り上げると反響があったりして、常に新しい発見があります」(宗徳氏)

『MATCHA』への流入元は、主に検索エンジンやソーシャルメディアだ。前述のリサーチでも、このふたつは重要となる。

「多くの人に読んでもらうには、ユーザーが調べていることをリサーチし、きちんと訪日観光に役立つコンテンツを提供することが欠かせません。そして、サイトを訪れた方に、『実は、日本にはこんなにおもしろいスポットや、イベントがあるんです」という記事を届けること。読者目線と編集目線の両方で企画をすることが、新規訪問者を増やし、リピートをしてもらうために重要なポイントだと心がけています」

そもそも『MATCHA』の立ち上げ時にも、日本が好きな外国籍の人が集まるFacebookページをリストアップし、3000万もの「いいね!」をリサーチしたというから、筋金入りだ …

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