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SPORTS TEAMに学ぶ集客術

千葉ジェッツ B. LEAGUE観客動員No.1チームまでの道

千葉ジェッツ

2016年にスタートしたプロバスケットボールリーグB.LEAGUE(Bリーグ)。開幕シーズンで、ホームゲームの平均観客数4503人を記録し、リーグ1位となった千葉ジェッツ。17年、18年には天皇杯を連覇し、チーム力も高める。その背景には確かな運営方針があった。

千葉ジェッツのホームアリーナ「船橋アリーナ」(千葉県船橋市)。船橋日大前駅から徒歩8分という立地。北習志野駅からは、直通ノンストップバスが運行している。
(C)CHIBA JETS FUNABASHI/Take-1

チケット販売担当が集客に注力 着実に成果を上げる

千葉ジェッツは、16年〜17年のB.LEAGUE開幕シーズンで、観客動員1位を果たした。1試合平均4503人という数字は、3374人で2位となった栃木ブレックスに1000人以上の差をつけている。

同チームは、リーグ統合前のNBL最終シーズンでも観客動員数1位を達成しており、2年連続で最も人を集めている。終盤を迎えた17年〜18年シーズンも動員は好調で、3年連続観客トップもほぼ確実だろう。

チームを運営する「千葉ジェッツふなばし」のメディアプロモーション・広報部門リーダーの三浦一世氏は、「いまはアリーナ内の演出にも力を入れている。来場者に『また来たい』と思ってもらうためには、試合が面白いのはもちろん、アリーナで非日常的な体験ができることが必要」と話す。

「いまは」と、三浦氏がただし書きを付けるのは、千葉ジェッツの観客動員が大幅に伸びたのが、15年〜16年シーズンのことだからだ。同シーズンからそれまで他部署のスタッフがチケットの販促も兼任していた状況を変え、チケットセールスの専任担当を設けた。この担当者を中心に、シーズン前に入場者数の目標を定め、試合ごとに何人集める必要があるかを割り出して、計画的な営業活動を開始した。

それまでの千葉ジェッツには、集客よりも優先すべきことがあった。旧bjリーグ時代、日本バスケットボール(JBL)を再編・新設したナショナル・バスケットボール・リーグ(NBL)に参入した13年〜14年シーズンまでは、チームの経営を軌道に乗せることを最重要課題としていたのだ。これは島田慎二社長の方針「選択と集中」に基づくもので、まずはチームを存続させるべく、千葉ジェッツが「パートナー」と呼ぶスポンサーの獲得に集中した。

当時は、チームの強化もまだ満足のいく状態ではなく、来場したファンを楽しませる試合も、場内演出も、予算的な問題で十分とは言えなかった。

「そのような状態で人を集めても、『もう一度見たい』と思っていただくのはむずかしい。ならば、まずは強化を選ぶ。そういう判断でした」

アリーナの強みを生かしたイベントを意識

NBL初年度(2013年)こそ、イースタンカンファレンス最下位と苦しんだが、2年めはプレーオフのクォーターファイナル(準々決勝)まで進出するなど、着実に力をつけていく。

また、NBLにはトヨタ自動車アルバルク東京(現=アルバルク東京)が所属していたのだが、島田社長が掲げた「世界的な企業の名前を冠するチームに、千葉の小さなクラブが勝つ」ことをスローガンとした「打倒トヨタ!」の合言葉が共感を集めスポンサーも集まった。

経営面、競技力という土台づくりに一定のめどが立ったことで、集客に注力するフェーズに入る。地元・船橋市周辺での営業活動や、スポンサーシートの営業はもちろん、来場者を楽しませるための仕掛けにも資金を投じた。

場内では、アリーナ競技の特長を生かし、スターティングメンバー紹介時に場内を暗転し、火柱をあげたり、プロジェクションマッピングでチームロゴをコートに映し出したりといった、さまざまな演出を施している。また、試合前後のイベントやハーフタイムには多彩なゲストも登壇するようになった。ゲストは毎試合に冠スポンサーとしてつく企業に応じて、ネームバリューや、ホームタウンである船橋や千葉にゆかりのあることなどを考慮し選定している。

BMXのショーを行った際は、年一回、世界中のライダーの投票によってその年のNo.1ライダーを決める、BMX『NORACUP』で2010年、2011年の二年連続世界No.1ライダーの栄冠に輝いた、千葉県松戸市出身の佐々木元選手らがパフォーマンスを見せた …

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