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ECビジネス 成否の分かれ目

アリババと出店者が語る「Tモール」の実際

アリババx一心堂本舗対談

テレビや新聞のビジネス報道で目にすることの多くなってきた「越境EC」のフレーズ。特に、アジア最大の市場を誇る中国向け越境EC「天猫国際(Tモール・グローバル)」には熱い視線が集まっている。しかし、その実態はなかなか知られていないのではないか。日本企業の出店をサポートするアリババ日本法人の赤塚保則氏と、この6月、実際に出店した一心堂本舗の戸村憲人社長に、その実際を語ってもらった。

中国はTモール、JD.comが2強

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調査会社iResearchの調査では2014年の中国B2CEC流通市場シェアは「Tモール(天猫)」が61.4%、「JD.com(京東商城)(JD.com)が18.6%。大和総研は、中国向け越境ECサイト市場は2018年、.4兆円に達すると予測している。



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中国のECモールで2番手につける「JD.com」(京東商城)の2014年年間流通総額は4兆4000億円。6月には、越境ECサイト「JDワールドワイド(京東全球購)」に日本製品専門店「日本館」をオープンし、中国市場に向けに日本製品の販売をスタートさせた。

「歌舞伎フェイスパック」が越境ECに出店したワケ

─なぜ、中国向け越境Eコマース(EC)の「天猫国際(Tモール・グローバル)」に出店しようと考えたのですか。

戸村憲人▶ 実は、最初は中国に進出する考えはありませんでした。商品の出自から説明しますと、2013年12月に「歌舞伎フェイスパック」という商品を発売しました。従来、無地だったフェイスパックに歌舞伎の隈取りを施したものです。以降、さまざまなデザインで売り出しましたが、2014年11月頃、中国からの購入が異常に増えたんです。一時期は7割ほどが中国人客という状態にまで至りました。1カ月ほどそんな現象が続いたでしょうか。

なぜ、そんなことになったか。原因を探ると、どうやら中国の俳優の方が現地のTwitterにあたる「微博(ウェイボー)で着用した写真を投稿していたところから火が着いたようでした。

そこまでは良かったのですが、1カ月ほどすると中国国内でニセ物が出回りはじめ、類似品ならまだしも、自分たちがオリジナルだと掲げるようになったのです。さらには中国だけでなく韓国からもこうした企業が現れてしまいました。一心堂本舗の商品であるときちんと認知してもらうため、現地で買えるよう環境を整えようというのが、「T モール・グローバル」に出店した背景です。

─越境ECでなくとも、現地に卸すなどして販売する手段もあったのでは。

戸村▶ 中国で化粧品を売るには、安全性や効果の実証で審査が1年くらいかかってしまうのです。申請料も1品あたり数十万円という高額なものです。何かいい方法はないかと探しあたったのが「Tモール・グローバル」でした。審査などの手続きまわりも代行していただけるとのことで出店を今年2月に決め、準備を経て6月にオープンに至りました。

年に一度の大勝負一兆円規模が動く「独身の日」

戸村▶ 「一心堂本舗」のようなケースはまれだと思うのですが、皆さんどういう狙いで出店されるのですか。やはり販路拡大というのが主な目的でしょうか。

赤塚保則▶ 最も多いのは、日本国内の実店舗なりECサイトなりで、訪日観光客需要(インバウンド需要)のインパクトを体験された企業です。「直に中国消費者に売れるTモール・グローバルに出店しよう」とお考えになります。特にいまは …

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