最終審査員、一次審査員、縦型部門審査員
今回で12回目を迎えた「Brain Online Video Award」(BOVA)は、映像制作業界の活性化と、これからを担う動画クリエイターの発掘と育成を目指し、ブレーンが2013年から実施するオンラインに特化した動画のコンテストです。プロ・アマ問わず、課題に対する自主制作を募集する「オンライン動画部門」とTikTok for Business とのコラボレーションで本年度新設した「縦型動画部門」の2部門で動画を募集し、審査します。
BOVA
オンライン動画コンテスト「BOVA」では「一般公募部門」の応募を現在、受付中です(締切:2021年2月3日)。今月は、協賛企業7社8課題についてのワンポイントアドバイスを紹介します。
視聴者の集中力が途切れないように、セリフのテンポ感だったりストーリー展開のスピードは特に意識して企画します。担当したjmsの連続10秒ドラマ「愛の停止線」では、通常のテレビドラマ12話分の展開を10秒×7話に凝縮するイメージで企画していました。オンライン動画は尺の使い方が自由なので制作者の描きたい通りにつくれる利点はありますが、見せられる側が苦痛にならないか、飽きないかどうかを常に考えながら企画を組み立てていくことが大切だと思います。
俯瞰的に見て、その商品が世の中でどういう見え方をしているか?というような、商品それぞれの佇まいを見つめることが多いですかね。ケースバイケースではありますが。元々ある商品のイメージから背伸びしすぎると無理が出てくるし、リアルすぎても面白くなりにくかったりするんですよね。新商品の場合は“どういう見え方になれば正解か”を考えるようにはしています。イメージと日常の接着点を探っていくと言うとわかりやすいですかね。
企画の立て方が若干ですが変わったような気がします。リモートになって仕事とプライベートというようなオン・オフの境界線が曖昧になり、1日の行動パターンも人によって千差万別の生活スタイルになったので、今までのように「大きな共感を得るにはこういう表現」というやり方が通用しにくくなってきてますよね。裏を返せば新しい表現が生まれる可能性が出てきているとも言えますが。
企画、演出、撮影、編集といろいろと大変だとは思いますが常に冷静な自分を横に置いてみるのが良いのかもしれませんね。独りよがりの面白さはだいたい面白くなくて、だから僕がつくるCMはいつもつまらないと思うんですよね。僕自身もこれから心がけようと思います。客観視。
オンライン動画は見る動機をつくる必要があるので、「これは面白そうだ」という気持ちを早めにセットアップすることを大事にしています。一言でいうとどんな動画?という見出しがつけやすいような構造にしておくという。見出しが魅力的だと勝手に流通してくれます。最近自分が関わったオンライン動画で言うと、サントリー「話そう。」では、“豪華タレント37人による台本なしのリアル会話”が。デカビタCの「元気すぎるご当地キャラ」では、“ゆるキャラが変身後の強烈な一枚絵”が、よい見出しとなってくれました。
これまで生きてきた中で見た映像や読んだ文章など、いろんな受けた刺激がぐるぐる混ざり合って化学反応がおきて、企画のアイデアになっている気がします。なので、コンテンツを見た時は、何が面白かったのか自分なりに分析してメモったり、ふと思いついた面白げなことをメモったりして、リスが種を埋めるようにネタをストックしています。あとは、クライアントさんや商品の中にとことん潜って、世の中の共感を得るポイントを探ると企画になったりします。
コロナの影響で世の中がシリアスになり、その社会の気分を強く考えてものをつくらざるを得なくなっている気がします。いろんな立場の人を想像してどう思うかを丁寧に考えています。今後は、その気分に寄り添うのもひとつですし、逆にそんな時代だからこそ、抜け抜けと時代を意識しすぎない面白いものをつくるのも、救いになるし目立てるのかなと思っています。
こういうコンペは通常の仕事とは違うスイッチを入れてやった方が勝てると思います。お行儀よくやりすぎず、迷ったらやんちゃな方を選んだ方がいいかなと。あと大事なのは...