『ダイナミック・ケイパビリティ戦略』
ダイヤモンド社刊 デビッド・J・ティース著
日本企業は自社が持つリソースの範囲内で次なる戦略を考えがちで、それゆえ戦略のダイナミズムが失われることが課題。ダイナミズムを失わないために、ケイパビリティをより広く捉え、適用していく方法論を説いた1冊。ダイナミック・ケイパビリティの実践に際しては、マーケティングが重要なことが分かる。
日本企業が抱える3つの課題とは?
ドラッカーは企業の目的は「顧客の創造」にある。それゆえ、マーケティングとイノベーションが企業の基本的な機能であると主張した。早稲田大学の池上重輔氏は、企業を対象にグローバル幹部育成研修を手掛ける中で、多くの企業の課題はつまるところ、マーケティングとイノベーションにあると痛感しているという。加えて、日本企業の場合には「グローバル」という課題も大きい。
ボストン コンサルティング グループ、マーズ、ソフトバンクなどの企業で実務家としての経験を経てアカデミズムの世界に入った池上氏は、その経験を生かして商学学術院総合研究所 WBS研究センター 主任研究員として企業幹部向けのグローバルエグゼクティブプログラムの責任者を務めている。
研修対象となる企業におけるBtoBとBtoCの割合は …
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