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研究室訪問

なぜ、その商品を買いたくなったのか?人の心理から効果的な訴求方法を検証

白井美由里(慶應義塾大学 商学部)

なぜ女性は牛丼屋に行かないのか
阿部孝彦 著

白井教授のお勧めの1冊は産婦人科の阿部孝彦氏が書いた『なぜ女性は牛丼屋に行かないのか』(幻冬舎刊)。「マーケティングの専門家ではないが、病院経営の中で得た知見がわかりやすくまとまっている」と白井教授。

「高品質低価格」日本に蔓延する矛盾のコピー

マーケティングの世界では、消費者行動分析に関心が高まっている。それは、「何を買ったか」よりも、そもそも「購買意図に影響を与えているのは何か」という、購買までの心理の変容に着眼点が置かれているためだ。慶應義塾大学の白井美由里教授も、心理学を応用した消費者行動を研究する一人だ。

「以前は、価格判断の研究をしていたが、価格だけでは購入の判断はつかないことが分かった。消費者は、POPや口コミの情報、買い物環境などを総合的に見て判断している」(白井教授)。

研究を進めていくうちに、小売店でよく見かける「高品質低価格」のコピーに疑問を持ち、3年ほど研究を重ねているという。「本来であれば“高品質”と“低価格”は相反するもの。高品質ならば、低価格に収まるわけがないし、低価格ならば高品質にはなりえない。しかし日本では、すんなりと受け入れられ、何も不思議に思われないのが面白い」と白井教授は話す。

このことから、消費者も2種に分類できるという。それは …

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