データの利活用は企業にとって当たり前に取り組むべきものとなってきた。しかし、データを収集してみたものの、有効に活用できるかどうかは別の問題。データを集めようと環境は整えたものの、投資に見合った成果を得られず壁にぶつかっている企業の担当者も多いのではないだろうか。本連載ではサッポログループでデータ利活用を推進してきた福吉敬氏がホストとなり、最前線で企業のデータ環境整備に取り組む担当者を招き、経験値を共有することでより豊かなデータ活用を目指していく。
※本記事は宣伝会議運営「アドタイ」に掲載の記事を一部、抜粋して転載したものです。対談全文は「アドタイ」でご覧いただけます。

(写真左)ゴールドウイン販売本部
EC販売部販売1グループ マネージャー
関瀬里氏
(写真右)サッポロ不動産 経営企画部
DX推進グループ
福吉敬氏
※本体談は2023年7月に実施。対談実施当時の福吉氏の所属はサッポロビール ビール&RTD事業部 ヱビスブランドグループ シニアメディアプランニングマネージャー。
コンテンツ・コミュニケーションでお客さま理解を深める
福吉:ゴールドウインさんは直営店もECも持っているので購買データを取得できるだけでなく、お客さまの動き、商品の動きも追えるところがすごいですよね。例えば、ECでセールのページを見ている人が店舗の近くに住んでいることがわかった場合、お店側と情報を共有するようなこともあるのでしょうか。
関:それが実現できることを目指しています。お客さまが実店舗とECをシームレスに行き来できることが理想ですから。例えばECに在庫がなくても、近隣店舗の在庫状況をお知らせする機能や、逆に直営店であればお店に在庫がなくてもECにあれば、その場で購入できるご案内をしています。「せっかくお店にまで見に行ったのに…」というがっかり感を減らす体制を整えています。
福吉:これこそデータ活用で実現できることの強みですよね。僕はデジタルアセットを活用した情報収集が主になるので、お客さまに関するデータを趣味・嗜好の軸で繋いで分析することが多いです。
ゴールドウインさんは、実店舗をお持ちなので店舗で取得する実データとECのデータを合わせて活用できるところが素敵ですね。先ほどの在庫に関するデータの連携は、直営店を持つ業態では一般的なものなのでしょうか。
関:どこまでシームレスにできているかは企業によって異なりますが、ECから実店舗での試着予約ができるサービスを提供しているアパレル企業は複数あります。
「何かしたい」の気持ちが来店誘導につながる
福吉:僕は、最近はコンテンツマーケティングに力を入れています。今は来訪者がコンテンツを読んだときの内容も見ています。今までだとページ単位で分析していたところをオブジェクト単位で解析するツールを入れ、読了したのか...