ディープラーニングを活用 ポーランド発のテックカンパニー
RTB Houseはダイナミックリターゲティング広告のDSPを提供するアドテク企業で、ディープラーニングAIを活用した広告配信を提供している。
「当社は100%ディープラーニングのエンジンを使っている世界で唯一のアドテクカンパニー。マシーンラーニングは膨大なデータの特徴をデータサイエンティストが定義して、それに基づいて学習を進めていくモデルである一方、ディープラーニングは機械自身がどこに特徴を求めるか、自分で考えて自分で判断していく。ディープラーニングは他のエンジンに比べて圧倒的に優位性がある」とRTB House Japan カントリーマネージャーの奥内鉄治氏は語る。
創業は2012年。ポーランド・ワルシャワに本社を置き、現在は世界30カ国、80カ所以上の拠点で4,000以上のキャンペーンを世界中のクライアントに対して展開している。2023年3月にはフィナンシャル・タイムズ紙が実施するヨーロッパで最も急成長している企業1000社のひとつに、6年連続で選出された。またRTB House Japanは2018年に設立されている。
ダイナミックリターゲティング広告で成長してきた同社だが、サードパーティCookie利用の規制に伴い、プライバシーを保護した新しいリターゲティング技術の開発が必要になっており、同社はその技術開発に力を注いでいるという。RTB House プライベート アド エコシステムチームリーダーのMateusz Rumiński氏(以下マテウシュ氏)はポーランド本社でCookieレス配信の技術開発に取り組むひとり。5月に来日した同氏にも話を聞いた。
RTB Houseでは3年前から45名を超える専任メンバーがCookieレス配信の研究開発を続けてきた。具体的には近日中のサードパーティCookieサポートの廃止を表明しているグーグルが提唱する「Privacy Sandbox」の実証実験に参加をしている。
「Privacy Sandbox」とはサードパーティCookieを用いずとも、広告のターゲティング配信など従来、Cookieを用いて行ってきた活動を、プライバシーを保護しながら、実現することを目指す複数のツール群のこと。RTB Houseはじめ世界のテクノロジー企業が、このコミュニティのメンバーとして参画をし、新たな技術が生み出されてきた。
ツール群のなかには「Trust Tokens API」「Protected Audience API(旧FLEDGE)」「Topics API」、広告効果を計測する「Attribution Reporting API」などがあるが、RTB Houseでは特に広告のリターゲティング配信にかかわる技術である「Protected Audience API」の開発に力を入れている。
マテウシュ氏は「すでに私たちが開発したプロトタイプを用い、サードパーティCookieを排除した形で広告配信の実証実験を行っているが、『Protected Audien...