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脳科学の視点

ChatGPTの先へ

山根宏彰氏(富士通)

AIとの狂騒、競争、共創と、アートに生きる未来

ここまでキャッチコピー生成AIや、人間の心の中を知るための神経科学や機械学習手法、ChatGPTを含めた自然言語処理界隈の文章生成技術、それらの具体的な使い方について俯瞰してきた。最終回となる今回は、個人はどのようなマインドで来るAI社会に臨めばいいか考えたい。

広告のあり方には、カスタマイズを行う方向性がある。究極的な姿は、個々人に最適な広告が自動生成されることである。

個人化の行き着く先は自動推薦アルゴリズムによる支配だ。メタバースを始めとして、個々人が見たい世界を見る世界の到来であり、ストーリーを創ることが今まで以上に大事になってきた。

AI技術、自然言語処理技術の進展で、相手の感情に寄り添うことが可能になってきている。筆者は、AIによる物語の自動生成に関しても、研究をしてきた。読者の感情(ポジティブ-ネガティブの軸、興奮-鎮静の軸)の動きに着目すると、より満足度の高い物語の作成に近づくことを示した(Mori, Yamane, Ushiku, Harada:IPM 2019)。さらに、物語の作成をAIがどうやって支援できるのか、実際にシステムを構築し、プロの作家に使ってもらいフィードバックを得た(Mori, Yamane, Shimizu, Mukuta, Harada:CSL2023)。

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