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「ポスト2020」広告マーケティングの行方

東京2020大会が終了した今、ゴールドパートナー企業の担当者は何を考えているのか?

ゴールドパートナー企業と考える 東京2020大会に向き合う人たち

9月に終了した東京2020大会だが、そこに至るまでには世論を二分するような議論が起きた。結果的に日本人選手のメダル獲得の健闘もあって、スポーツの価値が再認識される機会となったものの、この大会に関わってきたゴールドパートナー企業には、無事開催に至るまでの苦悩もあった。東京2020大会、ゴールドパートナー企業の1社であるNECの山本啓一朗氏がアシックスの2020東京オリンピック・パラリンピック室室長である君原嘉朗氏に話を聞く。

東京2020大会が人、企業、社会に遺したものは?

山本:東京2020大会が終了しました。現在の率直な気持ちを伺えますか。

君原:大変でしたが、結果的にはやって良かったと思っています。アシックスが東京2020大会で実施した活動は大きくは3つありました。「日本代表やボランティアが使用するアイテムの提供・納品」「オフィシャルストアでのライセンス商品の販売」、そして「ブランド価値向上を目的とした各種アクティベーション活動」です。

日本代表やボランティアの方々に対する製品の提供・納品については、しっかりとやりとげることができました。オフィシャルストアでの販売は、東京大会としては2012年のロンドン大会を超える目標を設定していましたが、無観客開催となり、目標修正せざるを得ない状況でした。

3つ目のブランド価値向上のための取り組みについては、他のゴールドパートナー企業の皆さんも同様だと思いますが、当初の計画から大きな変更を余儀なくされました。特に国外の売上が約7割を占める当社としては、海外からの観戦客にアプローチすることができなかったのは非常に残念なことでした。

山本:それでも、君原さんは「やって良かった」という感想なのですよね。

君原:はい。ただ、「大会の開催自体が良かった」というのとは少し違うかもしれません。東京2020大会を目指してきたアスリートや、それを支える家族やスタッフ、また大会を支えたボランティアの方たちといった人が織りなす物語が素晴らしく、それが多くの人に感動を与えてくれたことに対して「やって良かった」という感想を持っています。

運営における透明性の部分など、大会自体に賛同できない声は多かった。正直に言えば開催されて良かったのですが、大会自体が良かったわけではなかったという印象を持ってしまいました。

山本:でも、これをきっかけにいろいろ変われる期待も持てましたよね。

君原:世界の注目が集まるなかで、いろいろな問題が起きたわけですけど、そのことが結果的に良い方向に作用してくれたらいいなと思っています。

山本:君原さんはオリ・パラとの関わりが長いですよね。

君原:2016年大会の招致活動から、関わっていました。私は招致委員会のメンバーだったわけではなく、当時、東京マラソンの担当で東京都庁に出向していたのですが、同じ都庁内にある招致委員会によく顔を出していました。2009年にリオデジャネイロが開催地に決定した際、委員会メンバーでもないのに私が一人、号泣していたことを覚えています。2020年大会の東京招致が決まった2013年にも、今度はうれしくて泣いてしまいました。

しかし、悔し涙もうれし涙も両方とも「なんで、自分が涙を流すのか?」その理由がよく分かっていなかったんです。いま思い返すと...

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