エステーのファンベースドマーケティングに見る 企業と消費者のこれからの関係
マスメディアを使った一方通行のコミュニケーションしかできなかった時代から変わり、1対1、双方向のコミュニケーションも実現しうるSNSが登場した今、お客さまと向き合う企業の姿勢にも変化が求められている。従来のマーケティングの領域を超越したエステーのコミュニケーションから、企業とお客さまのこれからの関係性を探るヒントを考える。
「ポスト2020」広告マーケティングの行方
東京2020大会に対しては、開催の中止を求める声もあり、日々メディアで取り上げられ関心が高まっています。大会の主役であるアスリートは今、この状況で何を考え、何を目指しているのか。東京2020大会、ゴールドパートナー企業の1社であるNECの山本啓一朗氏が大会の候補選手の一人である上山容弘氏に話を聞きます。
東京に3度目となる緊急事態宣言が発令された中、4月28日にIOC・IPC・組織委員会・東京都・国による5者協議が開催され、以下の共同ステートメントが発信されました。
─共同ステートメント(抜粋)─
観客上限については、海外からの観戦を認めないとの大きな事情変更がある中で、変異株による国内感染の状況も踏まえ、観客数に係る判断は6月に国内のスポーツイベント等における上限規制に準じることを基本に行うことに合意しました。
なお、IOC、IPC、東京2020組織委員会は、更なる大会関係者の削減に引き続き努めます。
─共同ステートメント(抜粋)─
当初のスケジュールでは、4月中に観客上限について決定する見込みでしたが、4月25日には東京をはじめ、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に3回目の緊急事態宣言が発令された状況では当然のことだと思います。一方、この状況下でも黙々と準備を進めないとならないアスリートの方々のことがとても気がかりでした。
そこで、以前から懇意にさせていただいていた東京2020アスリート委員会の上山容弘さんに話を伺いました。上山さんはトランポリン競技で2008年の北京、2012年のロンドンと2つのオリンピックに出場された後、一度現役を引退。その後、東京2020大会に向けて現役復帰をされ、日本代表候補の一員としてナショナルトレーニングセンター(NTC)で日々練習に励んでいます。
※本インタビューは、5月2日に実施しました。
山本:現在の様子はいかがですか?
上山:5月9日にオリンピックの補欠を決める大会が開催されるんです。オリンピックの補欠を決定する大会でもあります。最後の1枠に入れるよう、それに向けて最終調整をしている状況です。
山本:練習に集中するのは難しい状況ですよね。
上山:私たちアスリートにも、一般の皆さんと同じ情報しか入ってこないんです。メディアの情報だけが頼りで⋯。私たち、アスリートは動向を見守るしかありません。正直、この状況ですから中止になってしまったらしまったで、仕方ないな⋯と思っています。
この状況下で開催して、本当にスポーツの良さを伝えられるのか。逆に負の感情が醸成されることが(選手としては)正直、怖い。アスリートにとっては、一生に一度しかないチャンスでもあるのですが、はたして今の環境で感動を共有できるのか。本当に悩ましいです。
山本:上山さんは過去のご経験も含めて、この状況にご自身なりの折り合いをつけているように見受けられます。若手とはどのようなコミュニケーションをとっていますか。
上山:あえて、この話題には触れないようにしています。どんな状況にあるとはいえ、準備をしないわけにはいかないので皆、オリンピックが開催される予定日に向けてピーキングできるよう、その準備に...